今春、新たな学校に赴任された校長先生へ。
埼玉県公立高校の令和5年度校長人事では60校(全日制のみ。特別支援等除く)で校長が替わった。
このうち転任、すなわち既に校長であった先生が、別の学校に異動したのが33人(児玉、飯能含む)。
教頭などから昇格し、新たに校長となったのが9人。
一旦定年で退き、再任用という形で校長に復帰した人が18人。
という内訳だった。
校長が替わった学校の数はほぼ前年並みだったが、前年は新任23人、再任用5人だったのに対し今年は新任が9人、再任用18人と、新任の少なさが目立つ人事だった。
このような人事だったので、新人校長は少なく、経験者が多数を占めている。
なので、私ごときが偉そうに何かアドバイスするのはちょっと気が引ける。
それに私は校長などやったことがない。
「そんな素人の話など聞いてられるか」
まあ、そんなところだろう。
校長に限ったことではないが、その立場に身を置かなければ分からないことは多いものである。
その上でちょっとだけアドバイスをしよう。
いや、むしろお願いと言ったほうがいい。
◆何を変え、何を守るか
新たな学校に赴任したら、誰もが改革を志すだろう。
改革や改善はイコール前進であるから、そう考えてもらわなければ困る。
時代は常に進化しており、それに合わせた改革は校長としての使命であろう。
ただ、それぞれの学校には50年、100年と続いてきた伝統がある。
先人の苦労があり、その業績の上に今日がある。
したがって、これを守ることもまた校長としての使命であろう。
何を変え、何を守るか。
この判断を誤らないようにしてほしい。
私の考えでは、7割が守りで3割が変革である。いや、9割が守りで1割が変革かもしれない。
改革を急ぐあまり、古き良き伝統を壊してしまわないようお願いしたい。
◆キーワードはサスティナブル
校長が変われば学校が変わると言われる。
まあ、そうだろうと思う。
私が専門とする募集広報の分野で言えば、それに熱心な校長がいる間はいいが、変わった途端に逆戻りというようなことがしばしばある。
「せっかく良い流れを作ったのに、後任が台無しにしてしまった」
そう嘆く前校長は少なくない。
この場合、後任が前任の流れを引き継がなかったというのも一つの見方である。
だが別の考え方をすれば、引継ぎ不可能な改革だったかもしれないのである。
2年か3年しか務めない校長が、その任期中だけの改革をしても、それは本当の改革とは言えない。
次の校長、そのまた次の校長と代々引き継がれてこそ真の改革だ。
今風の言葉にしたがえば、持続可能性である。
自分ならできる。自分がいる間はできる。
というのではダメで、他の人でもできる、自分が去った後も続けられる、そういうサスティナブルな改革を目指して欲しいと思うのである。
以上、自分では出来もしないことを言ってみた。
【追記】
下の記事は随時書き換えている。
更新済みは16校に増えた。
コメントを残す