東京理科大学が2024年度の入学試験から新たに「総合型選抜(女子)」を新設することを発表した。
 工学部、創域理工学部、先進工学部の3学部16学科で各学科3名、計48人の女子枠を設ける。

 東京理科大が48人の女子枠創設…24年度入試から、工学系の総合型選抜で(読売新聞オンライン 4月19日)

 大学発のニュースリリースはこちら。
 東京理科大学 2024年度総合型選抜(女子)を新設

 さて、このニュース。
 最初に目が行ったのは、女子枠48人という数字だ。
 16学科×3人で48人ということなんだろうが、神楽坂の東京理科大ということなら46人でも良かった。
 乃木坂、日向坂、神楽坂。
 
 つまらん冗談はここまで。

 調べてみたら、この大学、今まで総合型選抜を実施していなかったみたいだ。
 で、いきなり創設したと思ったら、何と女子のみ。
 ジェンダーとか差別とかの観点からさまざま意見はあろうが、大学側の学生募集戦略という点に絞れば、一つの作戦としてありだと思う。

 成功するかどうかは分からない。
 まずは高校側や受験生側がどう評価するかだ。
 思うように集まらなければ、男女兼用枠に変えることになるだろう。

 それと産業界がどれくらい女子人材を受け入れるか。
 むしろ大事なのはこちらかもしれない。
 出口が塞がっていたのでは、いずれ見捨てられる。
 どのように鍛え、どう送り出すか。
 大学側の本気も試される。

◆医歯薬もいいが理工も
 成績の良い生徒、受験学力の高い生徒を医学部に送り込むのが現代の風潮だ。
 高校が大学合格実績を示す際、医学部医学科や医歯薬系を別枠で表示するのは今や常識になっている。

 まあ学力の頂上にいる生徒が医学を志してくれるのは有り難いことではあるが、一方で高度医療を支えているのは誰かという問題もある。
 
 よく、人を助ける仕事をしたいと言う中高生がいる。
 結構なことだ。
 よろしく頼む。

 では医者を目指すか。
 だが、偏差値がそこまで高くない。
 学費が払えそうもない。

 だったらエンジニアを目指せ。
 コロナで有名になった人工呼吸器は誰が作ったんだ。
 さまざまな検査機器は誰が開発したんだ。
 高度なテクノロジーの支えがあって現代のIT医療が成り立っているんだろう。
 人の命を救うのは何も医者だけではない。
 理工系進学の意義を見直そう。

 女子の進学としては、家政、看護、教育あたりが主流という流れは急には変わらないだろう。
 が、本気で法律や経済や理学、工学を学ぼうという女子が増えるのはいいことだ。
 そのための呼び水として、女子枠のような制度があってもいいだろう。

 しかし、こうなると女子大はますます劣勢になるな。