春日部ふれあいキューブで行われた「東部私学の集い」を見学してきた。
前回開催は平成31年4月29日。その2日後、5月1日から令和となったので、4年ぶりであると同時に令和初の開催となったわけである。
このイベントは主催企業、協賛企業もなく、東部地区私学6校が持ち回りで幹事役を務め、完全自主開催の形で行われている。
コロナにより3年間開催できず、その間、学校側メンバーも大幅に入れ替わった。前回開催時からの校長は昌平の城川雅士校長ぐらいだろう。募集広報のトップもほぼ入れ替わった。
各校の先生方を見ると、だいぶ若返ったという印象だが、こちらが年を取ったせいもあるだろう。
11時スタートということなので30分前に会場に着いたが、すでに大勢の受験生・保護者が集まっていた。
事前予約なし、入退場自由というコロナ前と同じ方法で行われたが、やはりこの手のイベントはこの方式がいい。
会場を大きく二つのエリアに分け、一方でブースを設けての個別相談、もう一方で各校20分ずつの説明が午前、午後の2回行われた。
◆「お得感」たっぷりのイベント
全体の様子を見ていると、お目当ては各校説明会という方が多いという印象だ。
1校あたり持ち時間20分と短い。
学校側からすれば、せめてあと10分は欲しいところだろう。
だが、聞く側からすれば、2時間で人気6校の説明をまとめて聞けるわけである。こんなチャンスは滅多にない。だから、学校が入れ替わっても、聞き手の入れ替わりは少ない。
受験生・保護者側から見た場合の、この「お得感」が、このイベントの最大の特徴と言えるだろう。
この時期、ブースでの個別相談だけでは、これほど人は集まらない。
◆ちょうどいい学校数
中高一貫3校で始まったイベントだが、その後、高校単独校や新設校も加わり6校に拡大した。
これで東部地区私立すべてである。
このくらいの学校数だとまとまりやすい。
南部地区や西部地区だと学校数が多過ぎて、まとまりにくい。
また、学力レベル的に見ても、上から下までの開きが大きい。
その点、東部地区6校は学力レベル的に見て極端な開きがない。
「いや、差はあるぞ」と言われる方もいるだろう。
その通りだ。
だが、他地区との比較で見れば差は少ない方だ。
これを別角度から見れば、お互いが生徒募集上のライバルということになるが、そこを乗り越えて協力関係を築けているのがいいところだ。
◆競争と協調
競争しつつ協調し、協調しつつ競争する。
これは長く私が言い続けていることだ。
たとえばプロ野球やサッカーにおいて、各チームは互いに激しく競争しているが、ファン層を拡大するという点では協調、協力が不可欠なのである。
これと同じように、東部地区6校はライバルではあるが、東部地区私学全体のプレゼンス(存在感という意味合いで)を高めるという点では協力関係が欠かせないのである。場合によっては東部地区公立を含めて考えてもいいだろう。
放っておけば、市場において必ず一極集中が起こるのだ。
中高入試市場で言えば「さいたま市」を中心とする南部への一極集中だ。
特に高学力層の流出が痛い。
こうした問題は「ポツンと一校」が頑張っても止められない。
激しく競争しつつも協調を忘れない。
こうした関係をこれからも続けてほしいと思う。
【追記】5月1日 動画を追加
コメントを残す