明日から本格的な連休だ。ノンビリ行こう。
たしか5、6年ほど前だったと思うが、イノベーター理論について書いた。
これはマーケティング用語で、新しい技術や商品への対応は5つのタイプに分類できるというものだ。
当時、インターネット出願の普及が今後どうなるかの話の中で取り上げた。
理論を簡単に説明すると、5タイプとは次のとおりだ。
1 イノベーター(革新者)
新しいものを進んで採用。全体の2.5%。
2 アーリーアダプター(初期採用者)
自ら情報収集し判断し採用。全体の13.5%。
3 アーリーマジョリティ(前期追随者)
採用には比較的慎重。全体の34%。
4 レイトマジョリティ(後期追随者)
大多数と同じ選択。全体の34%
5 ラガード(遅滞者)
流行が一般化したら採用。全体の16%。
この理論(考え方)を生徒募集に生かせないか。
それをずっと考えてきた。
つまり、学校選びにおける受験生の行動も5つのタイプに分類できるのではないかということだ。
特に私が注目しているのは、アーリーアダプターに相当するグループだ。
(アダプトは適合する、順応する)
かれらは早い段階で受験生という立場や環境に順応し、行動を起こす。
時期的に言うと2年生の後半から3年生の初めあたりから行動を起こす。
かれらの特質はオピニオンリーダー、現代風に言えばインフルエンサーの役割を果たすことだ。
イノベーターはもっと早くから気づき行動を起こすが、どちらかというと、ちょっと変わった子たちであり、下手をすると「○○オタク」の要素を持っていたりする。
なので、他への影響力は小さい。
1学期から募集活動をスタートしたほうがいい。
このことを執拗に言い続けているのは、この時期行動を起こしている受験生は、影響力の大きいアーリーアダプターである可能性が高いからだ。
成績(偏差値)はともかく、いち早く環境に適応し、それにふさわしい行動を取れる生徒は、高校側からも魅力的だ。
公立で募集に苦戦している学校の中には、非常に始動の遅い学校がある。
「早い段階で説明会などを開いても、目を向けてもらえない」
どうも、そのように考えているようだ。
しかし、私に言わせれば、こうしたやり方は、アーリーアダプターをみすみす逃している。
たとえば、「自分は普通科より専門学科の方が向いているかもしれない。よし、そっちを目指そう」と考えてくれる生徒はアーリーアダプターの中にいる。
また、「人気はいまいちだけど、いい学校じゃないか。ここを第一志望にしよう」と考えてくれる生徒も、この中にいる。
レイトマジョリティやラガードにばかり目を向けていると、「普通科は無理だから、専門学科でいいや」という生徒ばかりを集めることになる。
そういう生徒でも、入学後に化けることもあるから、それはそれでいいが、授業でも部活でも行事でもリーダーシップを発揮できる生徒が欲しいだろう。
人数はそんなに要らない。
40人クラスで4人もいれば十分だ。
この4人はアーリーアダプターの中にいる可能性が高い。
生徒募集を量(志願者数や倍率)だけで考えていると、早い段階での始動に思いが至らない。
生徒募集は量と質の両面から考えて行くべきだ。
1学期に説明会を行っても、人数はそれほど集まらない。
なぜなら、その段階で行動を起こしているのは全受験生の10数パーセントしかいないアーリーアダプターだけだからだ。
集まる人数は少なくても、かれらはオピニオンリーダーとして、インフルエンサーとしてマジョリティに影響を与え、結果、量の確保に貢献してくれるかもしれない。
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