4月28日、文部科学省は教員の勤務実態調査の結果を発表した。
 ざっと見るにはこちらの概要版。
「教員勤務実態調査(令和4年度)集計【速報値】概要版」

 詳しく見るならこちら。
 ただし90ページ。
「教員勤務実態調査(令和4年度)の 集計(速報値)について」

◆空いた時間をどう使う
 見どころはいくつかあるが、今日は2点だけ紹介しよう。
 「働き方に関する意識」について尋ねた部分である。
 
 調査では、「仮に今より業務時間が短縮された場合、空いた時間をどのように使いたいですか」と聞いている。

 回答は、
「プライベートの時間を充実させたい」
 小学校49.1% 中学校55.7%
「更なる授業準備や教材研究等に充てたい」
 小学校31.5% 中学校23.7%
「自己研鑽に充てたい」
 小学校14.9% 中学校15.8%

 やはり、このあたりが先生という職業人の特徴かな。
 プライベートの時間を充実させたいのは、どんな職業人でも同じだろうが、それに近い割合で研究したり、自己研鑽したいと答えている。

◆負担感が高い仕事は
 調査ではまた、各業務について、「負担であるか」、「やりがいがあるか」、「重要であるか」を聞いている。
 小中のデータがあるが、ここでは中学校を紹介する。(高校のデータはない)

 以下で紹介するスコア(数字)は「1:全くそうではない、2:どちらかといえばそうでhない、3:どちらかといえばそうである、4:そうである」の集計結果の平均値である。
 つまり、数字が大きいほど、そう思っている割合が高い。

●「この業務は負担である」
 事務(調査への回答)3.73
 事務(その他)   3.62
 事務(学納金関連) 3.49
 成績処理      3.46
 保護者・PTA対応   3.44
 地域対応      3.42 
 部活動・クラブ活動 3.35

 マスコミでは部活の負担ばかりが取り上げられるが、事務仕事(業界用語では雑務)の負担感が高い。
 負担感がもっとも大きいのが調査への回答というのが何とも皮肉だ。

●「この業務にはやりがいがある」
 授業(主担当)   3.64
 授業準備      3.33
 生徒指導(個別)  3.11
 学校行事      3.18
 学年・学級経営   3.10

 「この業務は負担である」で上位だった事務仕事は、1.47~1.61で、やりがいは低い。

●「この業務は重要である」
 授業(主担当)   3.88
 授業準備      3.74
 生徒指導(個別)  3.62
 成績処理      3.52
 個別の打ち合わせ  3.51
 朝の業務      3.44

 当然ながら、授業やその準備は重要度が高いと感じている。負担で上位だった成績処理については重要度が高いと考えられているが、これもまた当然だ。

 

 まとめて言うと、
 授業や授業準備については、重要度は高く、やりがいも高いが、比較的負担感は低い。
 生徒指導については、授業や授業準備同様に重要度は高いが、やりがいはやや低く、負担感はやや高い。
 事務関係については、重要度もやりがいも低く、負担感は高い。会議についても同様の傾向が見られる。

 小・中・高で結果は異なるが、どこから手をつけるべきかの参考にはなりそうだ。