本日のお題は学校説明会とオープンスクールについてである。
 近年は大学のオープンキャンパスを真似てか説明会とは別に体験型イベントを企画する学校も増えてきた。

 オープンキャンパス、オープンスクール、学校公開など呼称はさまざまである。
 キャンパスは元々大学の敷地や構内を表すから、中学校や高校がキャンパスを名乗るのはどうかとは思うが、まあいい。
 小中学生はそこまで考えていない。
 何となく意味が伝わればいい。

◆楽しくなければオープンスクールじゃない
 説明会はその名の通り説明を受けたり、お話を聞くための会である。
 対して、オープンスクールは体験型イベントである。
 「体験」を主とするという意味では、部活動体験や授業体験もそれに近いので、一種のオープンスクールと言えるだろう。

 体験を通じて得たものは、一方的に話を聞くよりも、良くも悪くも強く心に刻まれるだろう。
 ただし、説明会だけに比べて、学校全体が会場となるから、多数のスタッフが必要となる。
 教室やトイレの清掃も、いつもより念入りにしておく必要もあるだろう。
 いわば学校あげてのイベントであるから、そう何度も出来るものではない。
 よって、年に一度はやっていいイベントというのが、今のところ私の結論となる。

 スクールバスに乗ってもらうのも体験。
 学食でお茶を飲んだり、食事してもらうのも体験。
 トイレを利用してもらうのも体験。
 在校生と雑談してもらうのも体験。

 学校生活のさまざまな場面を体験してもらい、「楽しかった」と帰ってもらおう。
 「役に立った」「ためになった」「参考になった」は説明会に譲ろう。

◆「説明」という語に引きずられない
 学校説明会の「説明」という言葉に引きずれるな。
 このことを繰り返し言ってきた。

 もちろん、説明しないと分からないことはたくさんあるから、説明は丁寧にしたほうがいいに決まっている。
 ただ、時間に限りがある。
 持ち時間はせいぜい10分か20分だろう。
 授業時間50分とは比べ物にならない短さだ。

 だから、授業の時のように理解させようなどと考えてはいけない。
 
 説明会の本当の勝負は、受験生や保護者が家に帰ってからである。
 パンフレットをじっくり見てもらえるかどうか。
 渡した資料を隅々まで読んでもらえるかどうか。
 ホームページをあらためて見てもらえるかどうか。
 食卓で家族の話題にしてもらえるかどうか。
 翌日学校に行って友達に話してもらえるかどうか。

 すべては帰宅後の行動にかかっている。
 説明会はそのきっかけを与える場である。

 こういうのは普段から先生方もやっていることだと思う。
 授業が一つのきっかけとなり、興味を持った生徒が自分で調べるなど次のアクションを起こす。
 そういう仕掛けを授業の中に組み込んでいるだろう。
 その手法を応用すればいい。

 「説明会に行ってきました」
 で、どうだった?
 「別に」
 これでは意味がないのだ。

 先生方がすでに持っているスキル(技)を使えばいいだけだ。
 そんなに難しい話じゃないだろう。