よみうり進学メディア埼玉版10月号取材のため栄北高校を訪問した。
 今回の特集タイトルは「進学実績と進路指導」である。
 栄北は今春、初の東大合格者(理Ⅱ)も出るなど、進学校としての評価も高まりつつある。

◆アクセスの良さはあまり知られていない
 同校は、埼玉新都市交通(ニューシャトル)「丸山駅」から徒歩3分の好立地である。
 
 大宮駅を起点として、他の私立と比べてみると、次のようになる。
▽大宮開成
 バス7分

▽淑徳与野
 大宮-さいたま新都心(上野東京ライン2分)
 徒歩7分
 計9分

▽埼玉栄
 大宮-西大宮(JR川越線10分)
 徒歩3分
 計13分

▽栄東
 大宮-東大宮(JR宇都宮線6分)
 徒歩8分
 計14分

▽栄北
 大宮-丸山(ニューシャトル15分)
 徒歩3分
 計18分
 
▽開智
 大宮-東岩槻(東武野田線15分)
 徒歩15分
 計30分

 運転間隔や乗り換えに要する時間などは考慮していないが、まずまずのアクセスだ。

 ニューシャトルの運転間隔は、通学時間帯の7時台であれば5分間隔なのでそれほど待たない。
 ただし、沿線には国際学院、伊奈学園、日本薬科大学など学校も多いので混雑は避けられない。
 それと運賃が高い。
 大宮・丸山間は片道330円。
 大宮から片道330円というと、埼京線なら川越、高崎線なら北本、宇都宮線なら久喜、東武野田線なら春日部まで行ける。
 東京方面なら赤羽まで行けるだろう。
 というわけで料金の高さは一つのネック。
 
 ゴムタイヤで走るバスのような電車なので雪に弱いと言われているが、関東地方で1年に何回雪が降るのよという話だ。
 他の鉄道路線と相互乗り入れもなく、総距離約13㎞なので運休や遅延の心配も少ない。
 
 とにかく駅から学校まですぐなので、これはこの学校の大きなアドバンテージだ。

◆初の東大合格者が出たが
 今春、学校としては初の東大合格者が出た。
 では、この先、東大や旧帝大の合格者数を争うような学校を目指しているのかというと、どうもそうではないようだ。
 5年先、10年先は分からないが、少なくとも今はその時期ではないとしている。入学者の公立併願校を見ても、最上位クラス(特類選抜)で浦和西・大宮北・不動岡・伊奈学園・蕨だから、そうなるだろう。

 国公立に関しては、千葉大・埼玉大など通学可能圏内の国立合格者を増やす。
 私立に関しては早慶上理50人以上を目標としつつ、確実にGMARCHレベルを増やして行く。
 そのような方針だ。

◆学校完結型をめざす
 進学指導に関しては「学校完結型」を前面に打ち出している。
 完全下校時間は20時(午後8時)で、その時間までは自習室・教室・食堂などすべての学習スペースを開放している。
 部活終了後に残って勉強していく生徒も多いという。
 家に帰ったら、ご飯を食べて寝るだけ。
 そういう意味で学校完結型だ。
 さすがに夜は食堂営業していないが、コンビニがある。

 補習・補講体制は万全なので、塾や予備校通いの必要がない。
 必要な面倒はすべて学校がみる。
 その点でも学校完結型だ。

 もともと面倒見の良さで知られた学校で、開校以来「脱落者を出さない教育」を実践してきた。
 学校としてそのような言い方をしてきたわけではないが、今よりもずっと学力レベルが低かった時代から中退者がきわめて少ない学校だった。
 この開校以来の伝統が、今は進路指導に向けられていると言えるだろう。

 今回の取材では生徒の様子を見ることはできなかった。
 今週末(16・17日)文化祭があるので、できれば生徒の様子を見て来たいと思っている。
 「できれば」と弱気なのは、先週末の文化祭取材でかなりへばっているからだ。