本日はこちらのニュース。
 埼玉県内私立中学校入試に関する記事だ。

 「埼玉「私立中学校」入試、前年度から大幅贈に 6万517人が応募、1万1千人以上も増える 開校予定の学校、募集停止した学校も」(1月7日 埼玉新聞)

 1月10日から埼玉県内私立中学校の入試が始まる。
 新聞の見出しにもあるように応募者は大幅に増え、6万人強となっている。

 学校ごとの詳しいデータは埼玉県総務部学事課のホームページで見ることができる。

 「令和6年度埼玉県私立中学校・中等教育学校入試応募状況(中間)」

 1月4日現在の中間報告の形となっている。
 すでに受付を終了している学校もあるが、10日の試験前日まで出願可能な学校も多いため、今後も数字の変動はあるだろう。

 埼玉県私立中学校入試は首都圏のトップを切って実施される(東京都や神奈川県は2月1日以降)。
 そのため、東京都や神奈川県などの中学校を本命とする受験生が、試験に慣れるために埼玉の私立を受けるケースが多い。俗に言う「お試し受験」である。
 各校ともより多くの受験生を集めるため試験回数を多くしている。同日に午前入試、午後入試と2回の試験を行う学校もある。受験生の方もそれに合わせて複数の学校を受ける。埼玉県内私立高校にあるような「確約」などがない、いわばガチの入試であるから、どこか受かるまで受け続けなければならない。

 お試し受験の最大のターゲットとなっているのは栄東中学校で、毎年1万人を超える受験生が集まり、首都圏最大規模の中学入試となっている。首都圏最大ということは全国一ということだ。

 今年の埼玉のトピックスとしては、開智所沢中等教育学校の新設があげられるだろう。中等教育学校としては、さいたま市立大宮国際に次いで2校目、私立としては初めて。所沢市内初の私立中高。開智学園としては開智、開智未来に次いで埼玉県内3校目。

 県内私立中学校は、3桁人数をしっかり集められる学校と、2桁で四苦八苦している学校とに二極化している。後発の学校ほど苦戦している。その象徴とも言えるのが募集停止した国際学院だ。
 全体としてはこれから中学受験は伸びて行くと予測されるが、継続か停止かの決断を迫られる学校も出てくるだろう。

 県立の中高一貫が伊奈学園中学校開校以来20年以上も出来ていないのは、昨今の他県の動きから見れば、ある意味、異常とも言える状態だ。
 別学校の中高一貫化も不可能ではないが、3年でもけしからんという意見が出てくる時代だから、公立という性格上難しそうだ。そうなると大宮を筆頭とする上位共学校の一貫化が現実的だ。大学進学に期待ができる学校でなければ私立と対抗できないから、その点で候補は限られる。
 あと1、2校、できれば2、3校、県立中高一貫ができれば埼玉の入試シーンも大変動するだろう。