個人的にはそれほど関心はないが、話題にはなりそうなので取り上げておこう。
 こちらのニュース。

「公立別学校は教育の多様性」 「共学化」巡り浦和高でOBらから意見聴取 “推進”求める声も(1月28日 埼玉新聞)

 見出しには「推進求める声も」とあるが、記事本文では「共学化反対や勧告への疑問の声が噴出」とある。
 一部共学化を求める声もあったという程度ではないか。
 マスコミ的には賛成者と反対者の間で激論が交わされて欲しいところだが、それは無理だろう。
 OBにしろ在校生保護者にしろ「男子校がいい」あるいは「男子校でいい」と選択した人たちなのだ。

 その他の別学校でも保護者、後援会、同窓会を対象とする意見聴取が予定されているが、結果は似たようなものになるだろう。
 埼玉新聞によると日程は次のとおりである。

●1月30日(火)
浦和一女
●1月31日(水)
熊谷
●2月3日(土)
熊谷女子
●2月6日(火)
鴻巣女子
●2月10日
春日部(土)
●2月17日(土)
川越
松山
●日程調整中
川越女子
春日部女子
久喜
松山女子

◆募集の観点から
 今回の意見聴取の会合については、私のところにも同窓会を通じて案内が来ていた。
 あいにく所要あり欠席したが、用事がなくても行かなかっただろう。

 皆さんそれぞれのお考えを持ち参加されたと思うが、私の関心事は生徒募集である。
 そういう仕事なのだから仕方ない。

 事の発端は、埼玉県男女共同参画推進条例に基づき設置された埼玉県男女共同参画苦情処理委員が、一県民(たぶん)の苦情を受け、埼玉県教育委員会に対して「共学化が早期に実現されるべきである」と勧告したことである。
 つまり、端折って言えば、「男女共同参画社会の実現のためにすべての公立高校を共学すべきかどうか」の議論だろう。
 そこは私にとって専門外、というか守備範囲外なので積極的には参加しない。

◆生き残りをかけた共学化
 平成時代前半までは埼玉県内にも多くの別学校が存在した。
 いずれ細かいデータを集めてみようと思うが、私立全体の3割か4割が別学だった。
 今も全日制48校中9校(18.8%)が別学である。
 
 私立の別学化の動機は生徒募集である。
 表向きは男女平等とか男女共同参画など掲げたかもしれないが、本音は学校生き残りをかけた共学化であった。
 
 公立と私立では事情は異なるが、思想・理念・哲学などは別として、生き残りをかけた共学化というのが一つの方法論として存在するのは事実だろう。
 人気低迷している学校が共学化を機に盛り返し、人気校に変貌した例はいくつもある。

 人気回復の起爆剤となるなら、共学化は検討に値する。
 というのが職業的立場からの意見である。