今年度、生徒募集の一助とすべく公式インスタグラムの運用を開始した学校は多い。
 部活単位のものは、かなり前からあったが、学校が管理するものはほとんどなかった。
 その意味で令和5年度(2023年度)は埼玉における「学校公式インスタ元年」と言えるだろう。

 私が掴んでいる範囲では、現在、公立23校、私立14校の計37校が学校公式インスタを運用している。
 (なお、本ブログでは月1回ペースでフォロワー数調査をしており、明日か明後日には記事掲載する予定)

 一般的に、新しい試みが普及する過程では、20%前後に達するまでにかなりの時間を要する。
 そこを何とかクリアすると50%あたりまでは意外に早いことが多い。
 そして50%から100%まではあっという間だ。
 むろん途中でポシャってしまう試みも多い。
 そんな中、学校公式インスタはほぼ20%ラインに到達している現状で、ここから一気に普及モードに突入するか、際物で終わるかの岐路に立っている。
 ただ、今期の募集状況を見ると、インスタなどSNSによる情報発信が奏功したと考えられる事例も少なくないため、一気にというほどではないにせよ、開設校は確実に増えてくるのではないか。
 その意味で、「インスタ始めました」をニュースとして発信できるのは、この1年以内だろう。

◆フォーマルメディアとカジュアルメディア
 このような言い方があるかどうか定かではないが、私は、ホームページがフォーマルなメディアとすれば、インスタなどはカジュアルなメディアという区分ができるのではないかと考えている。
 以前、ホームページが目指す方向は「面白さ」「便利さ」「詳しさ」であると書いた。

 面白くないホームページなど見向きもされないぞ。
 では、どうしたら面白くなるかと言ったら、それは動画だぞ。
 そう言ってきた。

 だが、これは10年も20年も前の話だ。
 SNSなど話題にもならなかった時代の話だ。
 今は違う。

 「面白さ」の追求はインスタなどに譲れるようになった。
 そうなるとホームページは別に面白くないメディアで構わないわけである。
 むしろお堅いメディアでいい。
 学校のすべてを、広範な読者に対し、深く、詳しく、正確に伝えることがホームページの役割になった。

 で、これを分かりやすく表現したのが、「ホームページはフォーマル、インスタはカジュアル」という言い方だ。

 私は、学校に公式インスタの開設を勧めている一人だが、当初、コンテンツは共有でいいではないかと言ってきた。
 同じ動画素材(コンテンツ)をインスタ、エックス、フェイスブック、ユーチューブ、ホームページに流せばいいじゃないか。
 そう言ってきた。
 ただこれは、草創期にメディア特性別にコンテンツを使い分けるのは先生方にとって負担が大き過ぎると考えたためだ。

 おそらく1年間の経験で、インスタで伸びるのはどういうコンテンツかがある程度分かってきただろう。
 メディアにより視聴者層が異なることも薄々分かってきた。
 とすれば、次に考えるのはメディアの使い分けである。
 で、その際、考え方のヒントになるのが「フォーマルとカジュアル」であると思うのである。
 まだやろうかやるまいか躊躇している学校も少なくないが、すでに1年間の経験を積んだ各校は次のステージに進んでほしい。
 
◆明日は合格発表
 明日3月1日、いよいよ公立合格者発表だ。
 ネットで9時から、学校掲示は10時から。
 昔のような悲喜こもごもの発表風景は見られないが、一応取材に行ってみようと思う。