教員の不祥事に関する話題。
  
 女子生徒複数を盗撮疑い、埼玉 公立高教諭の男逮捕(埼玉新聞)

 県内公立高校関係者であれば、マスコミ報道の限られた情報の範囲内ですぐに学校は特定できただろう。
 が、ここではどこの学校であるかは問題にしない。
 残念なことだが、どこの学校でも起こりうることだからだ。

 教諭の男は36歳で採用2年目。
 昔ならこの年齢で採用されることはなかったが、今はさまざまな採用区分がある。
 教諭の男の前職や経歴が気になるところだが、とにかく公立教員としての能力・適性ありと判断され採用に至った。

 配属先は本人の希望で決まるわけではないし、学校側に選択権があるわけでもない。
 その学校でたまたまある教科に空席ができて、それを県の人事が新採用で補った。
 それだけの話である。
 ということはつまり、教諭の男は別の高校に配属される可能性もあった。
 最初に、どこの学校でも起こりうると述べたのはそういう意味である。

◆生徒募集には影響ない
 この問題が来年度の生徒募集に及ぼす影響はきわめて限定的だろう。
 ほとんど無いと言ってもいい。
 その学校の問題ではなく、教諭の男個人の問題だからだ。

 学校側が在校生へのケアや保護者への説明を十分行えば、これ以上大きな問題にはならず、よって生徒募集への影響はないというのが私の見方だ。

◆学校側の責任
 しかし、だからと言って学校側の責任がまったくないと言うつもりもない。

 第一義的には学校現場がまったく関与することができない採用の部分に多くの問題があるのだが、いったん配属されてしまえばそれ以降の管理責任は学校側にある。
 どんな性癖を持った教員が配属されてこようが、その先の管理は学校が行うことだ。
 その学校に対しては厳しい言い方になるが、教諭の男が別の学校に配属されていたら抑止力が働き、思いとどまった可能性もある。

◆システムによる抑止を模索
 私はそれほど長く教員をやったわけではないし、まして管理職の経験もない。
 だから偉そうに管理責任などという言葉を口にした割になにか名案があるわけでない。
 ただ、一つ言えるのは精神論ではなくシステムで解決する方が有効だろうということだ。

 不祥事撲滅のための研修をいくらやってもそれだけで解決しないのはこれまでの歴史が証明している。
 それはそれで必要だが、システムで解決する方法も模索するべきだろう。
 たとえば「車でスピードを出すな」というだけでなく、道路などを必要以上にスピードを出せない構造、設計にするなどがシステムによる解決に当たるだろう。

 私立では、密室を作らない、死角をつくらないをコンセプトにした校舎設計をしているケースも見られる。
 それにより教員対生徒、生徒対生徒の間で生じるさまざまな問題を未然に防ごうというものだ。
 もちろん、それでも完全には防げないのだが、精神論だけよりは効果が期待できそうだ。

 今まで何も起きていないから、これからも起きないということにはならない。