タイトルを見て、「今さらラジオかよ」とお思いになった方も多いだろう。
 中には、「こういう古い考えだから募集で苦労するんだ」と思った方もいるかもしれない。
 が、そういうあなたこそ時代に乗り遅れている。
 今日はそういう話だ。

 今日の同校のHP。

【予告】熊女の学校見学会をラジオ生配信します

 9月21日(土)に開催される学校見学会を地元ラジオ局「FMクマガヤ」でライブ配信する。
 学校説明会(同校では見学会と呼ぶ)をラジオで生配信するのは同校としては初の試みだ。

 ただし、熊谷女子高校が同局の番組に登場するのは今回が初めてではない。
 7月に開催された文化祭(鈴懸祭)の前にも、文化祭PRのため生徒が出演している。
 (8月末には熊谷高校生徒も同局番組に出演し文化祭PRをしている)

◆ラジオはオワコンではない
 かつて4媒体という言葉があった。
 テレビ・ラジオ・新聞・雑誌。
 今の若い人たちには想像もできないだろうが、私たちの世代では、テレビよりもラジオの人気が高かった。
 60代以上の方であれば、深夜「オールナイトニッポン」などを聞きながら受験勉強に励んだ記憶をお持ちだろう。

 が、時代とともにテレビに押され、インターネットに押され、凋落の一途を辿った。
 だが、ラジオ局の広告収入は一気に下がった後、ほぼ横ばい状態で推移している。
 決して見捨てられたわけではないのだ。
 
 で、話を端折るが、そうこうしているうちに、音声マーケットあるいは音声コンテンツなるものが注目を集め始めたのだ。
 実は今、若者のラジオユーザーは増加している。
 radiko(ラジコ)の普及などが後押ししている可能性がある。
 (radikoはラジオがスマホやパソコンで聴けるアプリである)
 「Podcast(ポッドキャスト)」や「Voicy(ボイシー)」といったデジタル音声メディアなども注目を集めている。
 
◆熊女の選択は間違っていない
 というようなご時世であるから、説明会のラジオ生配信という熊女の挑戦は、決して時代遅れでも何でもない。
 むしろ最先端と言ってもいいくらいだ。
 おそらく校内では「生配信するならYouTubeでしょう」という声もあったに違いない。
 それが普通だ。

 だが、あえてラジオを選んだ熊女はなかなかいい所を突いていると思った。

◆YouTubeに無くて、ラジオにあるもの
 いくつかあると思うが、その中の一つを挙げれば「ブランド(力)」である。

 YouTubeはいつでも誰でも始められるが、電波法に基づく免許制であるラジオ局は簡単には開局できない。
 アンテナ設置をはじめ多額の設備投資を必要とする。
 そうやって出来たメディアであるから、生まれながらに希少性を持っており、それが「ブランド(力)」に繋がっている。

 仮に聴取者が少ないとしても「ラジオに出演した」ことがアピール材料になる。
 このあたりがYouTubeとの違いだ。

◆熊女・栗藤校長の名言
 ついでに熊女の話題をもう一つ。
 9月7日の学校見学会における同校・栗藤義明校長の挨拶。

校長挨拶(支持してくださる限り熊女は女子高であり続けます!)

 「皆さんが本校を支持してくださる限り熊女は女子高であり続けます」

 共学・別学問題に関してはいろいろご意見はあろうが、学校説明会という場面を考えれば、これに尽きる。
 ここは議論の場ではない。
 熊女に入りたいという受験生、熊女に入れたいという保護者の集まりだ。

 出願まであと4か月、入試まであと5か月。
 ただでさえ不安が増してくる時期だ。
 そこに「大丈夫。安心して受験勉強に励んでくださいという」というメッセージ。
 受験生・保護者の心に響いただろう。

◆追記
 この記事を書いている最中に、埼玉県教育委員会が公式インスタグラムを開設したという知らせが入った。
 やっと始めたか。

埼玉県教育委員会公式Instagram