VUCA時代の時代なんだそうである。
 Volatility、Uncertainty、Complexity、AmbiguityでVUCA。
 読み方は「ブーカ」でいいのかな。
 先行きが不透明で将来の予測が困難な時代っていうことだ。

 これを聞いて思い出されるのは1978年に出版されたガルブレイスの著書「不確実性の時代」。日本でもよく売れた本だ。
 原題は「The age of uncertainty」。
 VUCAの「U」は「uncertainty」であるからこれと同じだ。

 これが流行ったのは、社会人成り立ての頃だったと思う。
 そうか、先が見えない時代なのか。
 じゃあ、比較的将来が見えそうな公務員になって正解だったかなと思った。

 あれから半世紀。
 不確実性の時代はVOCAの時代と名前を変え再登場した。
 まあ、いつだって世の中というのは先は読めないものだ。
 別に今に始まったことじゃない。

 激動の時代、
 先行き不透明な時代、
 何が起こるか分からない時代、
 前例や経験が通じない時代、
 過去の常識が通じない時代、

 そう言われて育ち、生きて来た。
 つまり私たち高齢者もまたVUCAの時代(旧称:不確実性の時代)を生きて来たと言える。

 ただ、明らかに変化のスピードは速いと感じる。
 今までは5年10年かかった変化が、ほんの数年で変化し時代遅れとなる。
 おそらくこれは情報通信の発達が大いに関係しているだろう。
 情報伝播のスピードは、われわれが若い頃と比べ明らかに加速しているとは思う。

 このブログをお読みの皆さんは主に50代から60代の方であろう。
 私と同じく不確実性の時代を生きてこられたと言っていい。
 そこで質問だが、皆さんの中にある知識や経験の中に、せっかく得たのに今ではまったく役に立たなくなったとか、意味をなさなくなったとか、そういうものがどれほどあるか。
 とりわけ学生時代、学校時代を思い返してみるといい。そこで得た知識や経験を元手にして不確実性の時代を生きて来たのではないか。

 VUCAの時代を生き抜く知恵は、不確実性の時代を生き抜いてきた皆さんの中にある。
 短いがこれが本日の結論だ。