この際、オンライン授業に切り替えようという学校や塾が多いと思う。そのためだろうか、Amazonや楽天を覗いてみたら、ウェブカメラがかなり品薄になっていた。
 私は基本、何でも試してみる派なので、この機会に噂のZOOMというやつを試してみればと周りの人に勧めている。

◆所詮は応急処置だ。凝り過ぎてはいけない。
 先生方にぜひ注意してもらいたいのは、これは応急処置なのだと割り切ることである。
 やる以上はいいものを、などと思わないことだ。いいものを作るには何か月もの準備が必要だ。スタッフも機材も用意していなければならない。

 だが、今はそういう状況ではないのだから、ありあわせの機材とスタッフとスキルに頼った「やっつけ仕事」で十分だ。

◆仮設住宅の上に高層ビルは建たないぞ。
 これからはオンライン授業を本格的に導入しよう。そう考えるのはいい。だが、それを考えるのは学校が再開し、平常に戻ってからだ。
 その際、今やろうとしていることや、今のこの経験が生きるのではないか。
 うん。多少はあるかな。まったく役立たないことはない。何かしら新しい発見はあると思うから、試みること自体は反対しない。

 でもね、今建てているのは言わば仮設住宅なわけだ。仮設住宅の上に高層ビルは建たんよ。本格的なビルは、ちゃんと設計図を引いて、基礎から打たないと建てられない。

 学校が今後、通信制を目指すなら、あるいは塾が完全オンライン塾に転換しようとしているなら別だが、そうじゃないとしたら、落としどころは、「やっぱり、教室で受ける本物の授業の方が楽しいし、よく分かるよね。早く学校始まらないかな」と生徒に思わせることでしょう。満足させちゃダメなんですよ。不満が残るほうがいいんですよ。

 と、このくらい言っておかないと、先生という人種はのめり込んじゃうからな。学校が再開するころには疲れ切っているというんじゃ洒落にならんよ。