例年通りだとすれば、来週(の週末)あたりに、埼玉県教育委員会から第1回進路希望状況調査(10月1日現在)の結果が発表される見込みだ。
 埼玉県では毎年10月と12月の2回、中学3年生を対象に進路希望調査が実施され、その結果が公表される。
 中学校・高校・塾関係者にとっては、お馴染みの年中行事である。

 私自身、長年この数字を眺め、分析し、記事にしてきた。
 ところで、ふと思った。
 これは全国どこでも行われているのだろうか。

 公立高校入試は各都道府県が主体となって行うものであり、日程も方法も内容も異なる。だとすれば、進路希望調査を実施するかどうか、実施するとして何回行うか、いつ行うかも、それぞれの判断に委ねられているはずだ。
 では、とりあえず関東1都6県だけでも調べてみよう。

◆年2回は当たり前ではなかった
 まず、埼玉県と同じく年2回実施しているのが栃木県と群馬県だ。
 栃木県は10月1日と12月1日、群馬県も10月と12月に調査している。

 なお、群馬県の今年の調査結果は10月20日に公開されている。
令和8年度 第1回中学校等卒業見込者進路希望調査結果(群馬県教育委員会HP)
 全日制63校の全体倍率は0.99倍と初めて1倍を下回った。一方、私立希望者は前年度より増加している。
 高崎・高崎女子はまずまずの倍率だが、名門・前橋1.01倍、前橋女子1.06倍という厳しい数字が出ている。
 
 次に、神奈川県。
 こちらは年1回。昨年度は10月20日現在で調査し、11月下旬に公表した。

 東京都。
 年1回で、調査時期は12月中旬(昨年は12日)、公表は1月上旬(昨年は7日)。
 実施主体は東京都中学校長会進路対策委員会であるが、東京都教育庁とともに結果を公表している。

 千葉県。
 年1回で、昨年度は1月5日現在で調査し、同20日に公表した。
 県教育委員会ではなく、現場の教員らで組織する千葉県教育研究会進路指導研究部会が調査を行っている。

 このように、隣り合う都県でも事情はかなり異なっていることが分かった。

◆茨城県はどうした
 1県抜けてないか?
 そう。茨城県(いばらき)。
 県教委HPを見てもそれらしい資料が見つからない。

 埼玉県と茨城県は「隣接県協定」を結んでおり、一部地域・学校では県境を越えて相互に公立高校を受験できる。
 したがって、特に埼玉県東部地区の中学校・高校・塾関係者には、茨城県の入試事情に詳しい方が多いだろう。
 この件についてご存じの方がいらっしゃれば、ぜひ情報をお寄せいただきたい。

◆調査は誰のため、何のために 
 さて、大事なのはここからだ。
 進路希望調査は誰のため、何のために実施するものなのか。

 行政には行政の考え方がある。中学校には中学校の、高校には高校の、そして受験生・保護者には、それぞれの立場からの見方がある。
 行政にとっては、進路希望の全体像を把握し、進路指導や教育施策に役立てるための資料となるだろう。
 中学校にとっては、生徒の進路指導に必要な情報であり、受験生・保護者にとっては志望校選択の参考資料となる。
 そして高校側にとっては、自校が受験生からどの程度選ばれているかを知る資料となる。
 私の関心は、学校広報や生徒募集マーケティングに向いているので、高校側に近い。

◆数字を知り、次に何をするか
 埼玉県の場合、10月下旬に調査結果が発表される。
 学校側は自校の希望倍率を知り、さらに他校の数字や全体の数字も知ることができる。

 そして12月には2回目の調査がある。
 つまり、10月の結果を踏まえて、それまでに何らかの手を打つことができる。
 これが東京・神奈川・千葉などとの違いだ。
 別に推奨するわけではないが、数字を見た上で、臨時や追加の説明会・相談会もできるし、中学校訪問・塾訪問などを再度実施することもできる。
 同じ進路希望調査でも、実施時期や公表時期によって学校側の活用方法は違ってくるのである。