蓮舫参議院議員の不思議な日本語。6月14日、都知事選候補者・宇都宮けんじ氏の街頭演説の際、応援に立った蓮舫参議院議員がこのように述べた。
「今求められているのは聞きざわり(聴きざわり)のいい言葉や、カタカナ連発の言葉ではなく、本当に皆様の苦しみに届く政策だ」。
うん。そうだと思うよ。蓮舫氏を支持する気もないし、むしろ大嫌いに属する人だが、小池現知事を批判したこの部分は同感だ。
が、今日のポイントはそこではない
「聞きざわり(聴きざわり)」である。
はて、こんな日本語あったかな?
70年近く日本語を使ってきても、まだまだ知らない言葉はいくらでもある。では調べてみよう。
やはり、なかった。
どうやら「聞きざわり(聴きざわり)」は、「耳障り」を元にした蓮舫氏の造語のようだ。しかし、「耳障り」は「障り」からも分かるように、耳に差し障りがあるのだから、否定的な意味合いがある。
「その音、耳障りだ。止めてくれ」なら分かるが、その耳障りな音が良いというのは意味不明だ。つまり「耳障りが良い」は誤用である。その誤用から転じたと思われる「聞きざわり(聴きざわり)」は、もはや日本語とは言えない。
ところで、多くの人は「耳ざわり」と聞いて、「耳障り」を思い浮かべるが、「耳触り」と受け止める人もいる。「手触り」などの場合の「触り」である。この場合であれば、「耳触りの良い言葉」もありうるということになる。
文化庁のホームページで調べたところ、「耳ざわり」はやはり「耳障り」であり、「耳触り」は誤用であると分かった。だが言葉は変化する。誤用であってもそれをみんなが使うようになると、いつしか市民権を得る。
蓮舫議員の発言を添削してあげるとすれば、話の流れから、「口当たりの良い言葉」とか、「聞こえの良い言葉」あたりが適当かと思う。
ついでに蓮舫議員ネタをもう一つ。
6月11日の参院予算委員会質疑の中でマイナンバーカードのシステムトラブルの解消方法を巡り、蓮舫議員は「サーバーは増やすんじゃなくて、時代はもうクラウドなんですよ」と発言した。
えっ、クラウドだって結局はサーバーに保存するんだけどな、と思っていたら、すぐさまツイッターで「クラウド蓮舫」がトレンド入りした。この人、話題作りが上手い。
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