埼玉県内私立高校の入試が今日から始まった。
 私は受験生向けに情報発信している身である。主にデータ(数字)を追いかけているだけであるから、別に試験会場に足を運んでどうなるというものではないが、時には現場の雰囲気を肌で感じることも必要であろう。
 ということでここ20年、解禁日にはいずれかの高校を訪ねるようにしている。

 事前に連絡し、許可を得た上で埼玉栄高校に行った。
 
 朝7時、浦和駅。
 すでにホームには受験生があふれている。
 ふだんの土曜日の朝とは異なる風景だ。
 電車を待つ間、ノートを広げる受験生も。
 

 大宮駅で埼京線に乗り換える。
 通常はこの時間帯、高校生でごった返しているが、今日は中学生のみ。
 遅延が多発する湘南新宿ライン、埼京線だが幸い今日は時刻どおり。

 西大宮駅改札を出るとプラカードを持った学校関係者が「左に進み、階段を降りてください」と案内していた。
 説明会や相談会で訪れている受験生がほとんどだから、迷うこともないだろう。
 それに、駅からもう目の前に学校が見えている。
 

 駅から学校までは大した距離ではないが、所々に教職員と補助の高校生が立っている。
 道案内と言うより交通整理や安全確保が目的だろう。
 補助の男子高校生は運動部だ。坊主頭がそう主張している。
 
 今日だけで約1600人が受けに来ているというから、電車が着くごとに駅から学校まで長い列が続く。
 中学入試だと保護者同伴が当たり前だが、高校入試だと保護者の姿はちらほら。
 塾の先生方による会場前での激励も今年は皆無だ。
 

 学科や入試区分(単願・併願)別に、会場となるフロアーが大書されていた。
 この学校は、上履き無しの一足制なので、入り口で混雑することもない。
 通路も広く、受験生はスムーズに試験教室に吸収されて行く。
 もちろん入り口にはサーマルカメラが設置されており、多人数を一気にチェック。
 

 8:45から放送による諸注意となるが、それを待つ間、受験生たちはノートを広げ最後の確認に余念がない。
 この期に及んで知識を詰め込もうというより、集中を高めるための儀式のようなものだろう。
 この学校では、すべての机にパーテーションが設置されている。
 ふだんの授業ではちょっとうっとおしいかもしれないが、試験のときは、周りから遮断されるので、かえっていいかもしれない。
 

 いくつかの教室を回って写真撮影した。
 試験開始後の撮影はしないというお約束。
 この学校は廊下側が素通しのガラスなので外からの撮影が可能だ。
 1時間目開始は9時だが、5分前には今日の私の任務はすべて終了。

 埼玉新聞社も取材に来ていたので、明日の新聞やネットニュースに今日の模様が掲載されるだろう。

【1月23日追記】
 1月23日、埼玉新聞(WEB版)に下記の記事が掲載された。