かなりニッチなテーマを扱ってみる。
埼玉県北部の学力上位層は、県内のどこの高校に進学しているかを調査する。
ここで北部というのは次の市町である。
自治体の規模をイメージしてもらうためにカッコ内に今春(令和4年3月)の全日制進学者数を記した。
熊谷市(1478人)
深谷市(1209人)
本庄市( 619人)
秩父市( 496人)
上里町( 270人)
寄居町( 249人)
神川町( 105人)
小鹿野町(88人)
美里町 (83人)
皆野町 (66人)
横瀬町 (53人)
長瀞町 (50人)
12市町合計の全日制進学者数は4766人である。
横瀬町、長瀞町あたりは町中の中学生を覚えられそうだ。
ちなみに人口約60万人の川口市の全日制進学者は4113人であるから、12市町合わせれば、それより少し多い。
なお、県下最大、人口130万人のさいたま市の全日制進学者は9516人である。
では、この10年間、北部地区公立中学校から他地域の高校にどれだけ進学しているかを見て行こう。
すべての学校を取り上げたいところだが、今回は上位校にしぼる。
◆北部から浦和・浦和一女・大宮への進学者
上記をグラフ化してみる。
2013年度から2022年度までの10年間平均は、
大宮 19.5人
浦和一女 11.7人
浦和 10.5人
3校合計 41.7人
大宮は一時期に比べて減っているが、15人前後が北部から入学している。浦和と浦和一女は10人前後で安定している。
◆北部から市立浦和・川越・川越女子・不動岡への進学者
上記をグラフ化してみる。
2013年度から2022年度までの10年間平均は、
不動岡 15.5人
川越女子 6.3人
川越 5.2人
市立浦和 3.8人
4校合計 30.8人
不動岡は平成29年(2017)から一気に増加している。それまでは一桁だったが20人を超えるようになった。平成29年(2017)は学校選択問題が採用になった年だが、そのことと関係があるのかどうかは分からない。
◆北部から県内私立への進学者
上記をグラフ化してみる。
2013年度から2022年度までの10年間平均は、
早大本庄 35.7人
淑徳与野 10.3人
大宮開 8.9人
栄東 7.3人
開智 2.8人
5校合計 65.0人
減少傾向にあるが、早大本庄への進学者がきわめて多い。
本庄東も多いと思われるが今回は割愛。
◆上位層138人が他地域や私立へ
ここまでまとめると、浦和・浦和一女・大宮に北部から41.7人が進学。
ざっと1クラス分だ。
さらに、市立浦和・川越・川越女子・不動岡に北部から30.8人が進学。
その半数は不動岡だ。
主要私立には65人が進学。
特に地域柄、早大本庄が多く、半数を占める。
3つのデータを合わせると約138人が他地域公立や主要私立に進学。
地元の熊谷、熊谷女子には、今回取り上げた学校が学力的にやや厳しいか、またはさまざまな理由でここに行きたいと考えた生徒のみが進学するという状態だ。
この記事を、熊谷・熊谷女子及び北部地区公立高校関係者がお読みであれば、こうした数字を頭の片隅において戦略・戦術を立てたらよろしかろう。
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