わいせつ教員処分過去最悪。こんな見出しだけ見れば、「まったく今どきの先生ときたら…」と眉をひそめたくなるわけだが、例によって、この記事の元になったデータを見てみよう。文部科学省の人事行政状況調査というものである。
文部科学省「公立学校教職員の人事行政状況調査」←こちらで見られます。
これは、わいせつ行為によって懲戒処分を受けた教員数だけの調査ではない。精神疾患による病気休職者数、女性管理職の割合、育児休業等の取得状況といった統計もあり、詳しく見ていけば、学校や先生が抱えるさまざまな問題が浮かび上がってくるだろう。
が、今日は時間がないので、いずれじっくり読み込んだ上で、それらについては報告しようと思う。
わいせつに戻る。
わいせつ行為などで処分を受けた公立学校の教員が282人。前年度より72人増加し、過去最多である。
ちなみに全国の公立学校教員数は次のとおりである(元年度学校基本調査)。
小学校414.900人
中学校229.903人
高校 168.472人
計 813.275人
わいせつの調査は平成30年度、教員数は元年度とズレがあるが、処分を受けた教員の全教員に対する割合は、「282÷813.275=0.00035=0.035%」となる。それほど大きな数ではない
もちろん、だからこれでいいと言っているわけではない。過去最多も、増加傾向も事実であり、本来ゼロであるべきなのだから、深刻に受け止めるべきである。また、調査に現れない数字(つまり隠蔽)があるかもしれないので、その点も注意が必要だ。
ただ、99.965%の先生は今のところ何も問題を起こしていないのであるから、日本中の先生がわいせつ行為をしまくっているわけではないということだけは言っておこう。
わいせつ行為などの相手は自校の児童生徒、卒業生が全体の半分(49%)を占めているが、会員制交流サイト(SNS)などを通じて関係を深めてわいせつ行為に及ぶ事案が増えているのが最近の傾向ということだ。
校長としては、さしあたり学校管理下におけるわいせつ行為を防がなければならない。学校外、時間外となると、個人の領域に立ち入ることになるので取りうる手段が限られる。自覚を促すことも重要だし、研修などもまったく意味がないとは思わないが、その程度のことは、すでにやって来た上での結果である。
そうなると次に考えられるのは、システムによる抑止である。私はその方面をきちんと勉強したわけではないので確かなことは言えないが、物理的な抑止、心理的な抑止ということも真剣に考えなければならないだろう。つまり、わいせつ行為が行われにくい環境づくりである。この点についても、もう少し勉強してから報告しよう。
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