入試の記述問題は誰が採点するか。アルバイトに決まってるでしょうが。新大学入試の記述問題をアルバイトが採点することを不安視する向きもあるが、じゃあ誰が採点すればいいのかな? 
 そもそも入試採点のプロ、記述採点のプロ、ってものがいるんだったら連れて来なさいよ。

 大学入試ということで大学の先生をイメージしている人がいるかもしれないが、かれらは採点のプロとは言えない。年に1回しかその業務をしない人のことを、われわれは通常プロとはみなさないからだ。
 大学の先生は学生の論文やレポートを読み慣れていると思うが、それと入試採点は別物だ。

 むしろ民間の模擬試験の採点者や、通信講座の添削者の方が、日ごろから数をこなしているという点でプロに近い。
 ただし、技はプロだとしても働き方や身分という点では、副業であり、パート・アルバイトである。
 毎日発生する仕事ではないので、模試会社や通信添削会社は社員として雇用することはできない。
 採点者として応募し採用されるのは、大学院生、高偏差値の現役学生、元教師、高学歴主婦あたりだ。現役教員がこっそりバイトということもあるかもしれない。

 というわけなので、50万人とも60万人とも言われている受験生の答案を1週間か2週間で採点するには、民間が擁する「プロの技を持った採点者」を動員するしかないわけで、現にベネッセ(の子会社)が採点業務を受注しているわけである。
 先日の国会で、野党議員が「採点者はアルバイトを採用するのか」と質問したのに対し、ベネッセ側は、「アルバイトという方もいらっしゃる」と答えているが、当然でしょう。
 赤ペン先生だって、結局はバイトなんだからね。

 マスコミの報道はいつもの通り悪意に満ちていて「アルバイト」の部分を強調するわけだが、居酒屋やコンビニのアルバイトとは訳が違う。
 ベネッセの肩を持つ気はさらさらないが、訓練もされ、経験を積んだ採点者なので、そこは問題ないだろう。もちろん、それ以上のプロの採点者集団を組織できるというなら、そっちに任せればいい。

 まあ、その前に、一次試験の段階で無理に記述なんか入れないで、どうしても書かせたかったら受験者を絞った二次試験の段階で必要に応じて入れればそれで済むじゃないかということだ。