学校の先生は休校になったからといって、給料が出なくなるんじゃないかとか、失業するんじゃないかという心配はしなくていい。純粋に子供のことだけ心配していただこう。
 塾の先生の中には、自分の生活も心配しなければならない人がいるかもしれない。辛いところだが、頑張って!

 さて。
 年度末の2~3週間、そして年度始めの2~3週間、多くの学校で授業が行われていないのだが、経験的に言えば、年度末の2~3週間は、学力の停滞や低下という面でのダメージはそれほどでもない。どこかで取り戻さなくてはと深刻に悩むほどではない。
 しかし、年度始めの2~3週間の遅れはかなりの痛手だ。失った授業時数を取り戻すため、夏休み短縮という手段を取らざるを得ないだろう。これは塾業界にも影響することだ。

 現段階では、まだ来春の高校入試について語っている人はいないようだが、今後の状況次第では、入試時期や選抜方法の変更も検討しなければならないだろう。もちろん、そうならないよう祈っているが、2月上旬の時点では、まさかオリンピックが延期になり、4月になって緊急事態宣言が出されるなど、誰も想像していなかったのだ。この先、何が起こっても不思議ではない。

 さしあたり、入試時期や選抜方法には変更がないと仮定し、この先の動きがどうなるかを想像してみよう。

 親の立場からすると、スタートの遅れへの心配がある。通常時でさえ、受験までに教科書終わるの?という不安があるところへ、1か月の遅れだ。中学校も夏休み返上で遅れを取り戻そうと頑張ってくれるはずだが、それでも不安はぬぐえない。
 とすれば、ここで救世主となるのが塾だ。塾への期待は例年以上に高まるだろう。「スタート1か月の遅れは夏期講習で」といったところか。

 親の立場でもう一つ心配なのは学費。
 景気は落ち込む。失業も増える。国や県の支援・補助が充実してきたこともあり、私立を選ぶ家庭が確実に増えてきた。だが、経済の先行きへの不安は、私立を選ぶことをためらわせるかもしれない。
 私立学校としては、学費について、例年以上に丁寧な説明が必要だ。ちょっと乱暴な言い方だが、所得が下がれば下がるほど、授業料は無償に近づく仕組みなので、大丈夫なのだと分かってもらおう。

 学費の問題がクリアされれば、私立単願希望者は例年より増えるだろう。ただでさえ、毎年確実に増えているのだ。先行き不透明であればあるほど、早く決めて安心したいという心理が働くから、その点では私立単願希望者が減る要素は見当たらない。
 学校が休校になっても、すぐに遠隔授業、映像授業に切り替えて、学力低下を最小限に抑えたのは、私立や民間の塾だからね。
非常時にも強い私立」。ここはしっかりアピールしよう。

 では、今日はここまで。