学習塾にも休業要請。ただし、床面積1千平方メートル超の施設が対象。
 坪数でいうと300坪か。じゃあ、うちは全然対象外だ。良かった。明日から授業だ!
 って、おいおい、喜んでる場合じゃない。

 ここはちょっと冷静になって考えてみよう。
 千平米という区切りにどういう意味があるのか分からないが、たぶんこれは全教室の合計ということだろう。学校の普通教室ぐらいの教室が15室ぐらいあると、千平米は超えてしまう計算だから、大手と言われているような塾は、どうしても休業要請の対象になってしまう。

 一方、個人塾で、300坪超の超大豪邸でやっている所を、私は知らない。よって、ほとんどの個人塾は休業要請対象外。
 この言葉、使いたくないが、これって差別でしょう。

 今のところ、休業要請はするが休業補償はしないと言われているが、この先どんな展開になるか分からない。世論に押され、もしかしたら何らかの補償があるかもしれない。特別な融資制度なども設けられるかもしれない。税制面で優遇措置が取られるかもしれない。
 まあ、全部「かもしれない」なのだが、仮にそういうことがあったとしても、個人塾は関係ありませんよということだ。だって、休業要請してないんだから。勝手に休んだんでしょう。  
 ということを考えると、対象外だと喜んでばかりはいられない。

 悔しいが、シカトされた(無視された)個人塾はどうするか。
 休業要請されてないのだから、うちはやりますよ、というのも一つの選択だ。感染防止の方法は、3月の経験でかなり習熟しただろう。やり方は同じだ。

 あとは世間の批判に耐えられるかどうか。
 保護者との信頼関係は、個人塾の方が強いと思われるから、塾内から、なんでこんな時期にというクレームは起きにくいと想像する。だったらうちの子辞めさせます、にもならないだろう。しかし、近所からクレームが入る可能性は大いにある。それとの戦いだ。

 教室を開くにしても、本人及び保護者の意志に任せるということになろうが、その場合、通塾組と自宅組と、二つの指導体制を取らなければならない。これは、時間と労力という点で大きなコストだ。
 二正面作戦というのは非常に難しいものだ。

 細かい話をすれば、大学生アルバイト講師は、リスクになる。親たちも不安だろう。今回は、塾長自身と正社員のみで対応だ。

 すでにオンライン授業を準備したり、始めたりしているケースもあるだろう。せっかくだからこれは続けよう。これに登校日ならぬ通塾日を適宜設けたり、質問日を設けたりする方法が考えられる(もう、考えてると思うけど)。
 時差通塾、分散通塾と組み合わせれば、塾生の学力低下を防いだり、モチベーション維持を図ったりもできるだろう。

 しぶとく生き抜いてやろうじゃないか。
 零細経営者より。