インターハイが中止になった。臨時休校が連休明けまで延長された時点で、これは日程的に考えて無理だろうと思ったが、その通りになってしまった。

 26日に全国高体連の理事会で中止が決定したわけだが、岡田正治高体連会長がネット上の記者会見をしている。
 「皆さんの夢を奪うものではなく安全・安心や命を守るためだ」
 「今年は舞台を用意することはできなかったが、皆さんの人生は今年で終わりではない」
 というような発言をされている。

 この方は政治家や役人じゃない。都立文京高校の校長先生だ。だから、現場の状況もよく分かっている。若いころは部活顧問もやっただろうから部活にかける生徒の気持ちも知っている。
 でも、いまの立場ではこれしかない。これは生徒に向かって言っているようで、実は世間に向かって言っているのだ。

 生徒の前ではこうだ。

 みんな、本当に申し訳ない。われわれ教員は、みんなのために舞台を用意することが仕事だった。責任だった。でもそれが果たせなかった。そのことを謝りたい。
 いや、先生に謝られても…
 そうだろう。謝罪も弁明を要らないから試合させてくれ。自分が高校生だったら、たぶんそう思うだろう。先生はいいよな、また来年があるし。そう思ったかもしれない。

 他人のせいにするな。環境のせいにするな。今までさんざん言ってきた。でも、このことに関しては、みんなには1ミリの責任もない。
 責任はすべてわれわれ教員にある。もしかしたら世の中の大人全員かもしれないが、それはここでは問わない。

 コロナのせい。
 そう言うのは簡単だが、そういう心の整理の仕方はない。

 この数か月間、自分はみんなの舞台を作るために何かをしてきたか。もちろん自分の力など微々たるものだというくらい分かっている。だが、そういう問題じゃない。
 みんなに言い続けてきた。
 レギュラーも補欠もない。それぞれが出来る仕事をやろう。

 自分はただ心配しながら、事の成り行きを見守るだけだった。何もできなかったのではなく何もしなかった。
 許されないことだ。恥じるべきことだ。だから、そこをみんなに謝りたい。
 明日からのことは今は言えない。一晩考えさせてくれ。

 このへんまでかな。