今年の「彩の国進学フェア」は中止なんですか、という質問が私のところに来るが、私は主催者じゃないからね。主催者は読売新聞東京本社さいたま支局。事務局は読売エージェンシーだから、そっちに聞いてちょうだい。

 今年のフェアに関しては、さいたまスーパーアリーナが東京五輪のバスケット会場に使われるから、例年通りの7月開催は無理というところからスタートした。そこにコロナが加わって、開催時期や会場の選択がさらに難しくなった。
 300校近い学校が集まって、来場者も1日3万人、2日間で6万人。こんな大イベントを行える屋内会場なんて埼玉県中探したってスーパーアリーナ以外にあり得ない。
 そこが使えない以上、今年は中止でもいいんじゃないかというのがコロナ以前からの私の考えだったが、主催者としては20年近く継続してきたイベントをそう簡単に止めるわけにも行かず、開催に向けて努力してくれた。自称「生みの親」である私としては感謝している。

 半年以上にわたり多くの大学や施設と交渉した結果、時期も会場もベストとは言えないが、「9月27日(日)獨協大学」という方向が固まったのが3月のことだ(発表は4月1日)。
 (途中、東京五輪が延期と決まり(3月24日)、結果的にはスーパーアリーナが使えたわけだが、もう手遅れだ。それに、今の状況を見れば7月20日前後に超過密のイベントを開くのは無理だと分かる)

 時期が遅い。せめて夏休み中にはやりたかった。会場も東に偏り過ぎている。県西部や県北部の中学生は草加がどこにあるか分からんだろう。
 でもまあ、何とか開催できる。と、思ったところに新型コロナによる臨時休校の長期化だ。
 これで、すべての予定が狂った。先生方も繰り返し年間行事計画の修正を迫られたことだろう。未だに苦慮されていると思う。
 大学側も「9月ならどうぞ」というのは3月の話で、授業も再開できず学内立ち入り禁止が続いている状況では、「9月は貸せません」となったとしても致し方ないところだ。
 今年はむしろオンラインフェアの方がいいんじゃないかな。

 さて、早くも来年(2021年)の話をしておくが、東京五輪が予定通り開催されるとスーパーアリーナで7月8月というのは無理。というのは今年と同じだ。
 そこで、五輪が行われるということはコロナが終息しているということであるから、5月連休あたりというプランが考えられる。
 あとは従来の発想から抜け出して、まったく新しいフェアを創設することかな。
 名称は引き継いでもいいが、実質的には従来型から脱皮した新時代のフェアに衣替えする。そうすると、時期や会場の問題もクリアできるかもしれない。

 関連記事
 以前にも進学フェアについての考え方は述べているので、忘れてしまった方はコチラにどうぞ。
 「エンタメの要素を取り入れたいが理解を得られるか」2019年7月21日
 「20世紀型イベントからの脱皮が求められている」2019年10月14日

 追記(7月4日)
 7月1日、「彩の国進学フェア」は正式に中止が発表された。
 「彩の国進学フェア中止のお知らせ」

読売中高生新聞