最近は専門高校からも結構大学進学しているんじゃないか。そこを調べてみようというのが本日のお題だ。なお、今回調査では農業・工業・商業・家政科といった明治以来の伝統的専門学科に限定した。理数科や外国語科なども分類としては専門学科だが、これらは大学進学前提という点で普通科と変わらない。
また、普通科と専門学科が併設になっている学校、たとえば上尾(普通+商業)のようなタイプは学科ごとの進路状況がよく分からないので、これも除外した。
では、始める。
人数は4年生大学合格件数である。進学者数ではない。ただし、指定校推薦などで進学している生徒が大多数と思われるので、合格件数と進学者数はかなり近いと思われる。
カッコ内は主な合格校である。
◆農業系
熊谷農業 22人(東京農大3、東洋大2、日大1)
杉戸農業 28人(東京農大6、東洋大1、日大2)
◆工業系
大宮工業 41人(東洋大3、日大4、東京電機大2、国士館大1)
川越工業 38人(東京理科大1、東洋大1、日本大1、大東文化大1、東京電機大8)
久喜工業 37人(東洋大1、日大2、東京電機大1)
春日部工業 32人(千葉工業大4、日本工業大25)
熊谷工業 24人(東洋大2、東京電機大3)
狭山工業 22人(東洋大5、東京電機大1、拓殖大3)
浦和工業 21人(法政大1、東洋大2、東京電機大2)
川口工業 14人(東京電機大1、千葉工業大1、城西大1)
◆商業系
浦和商業 60人(明治大2、日大4、駒沢大3、専修大1)
狭山経済 56人(東洋大3、日大2、駒沢大1、大東文化大2)
深谷商業 53人(中央大3、東洋大2、日大1、武蔵大1)
熊谷商業 43人(中央大2、東洋大1、日大3)
所沢商業 22人(専修大1、亜細亜大1、東京経済大3)
大宮商業 17人
◆複数系統
新座総合技術 55人(東洋大3、日大2、大東文化大3、女子栄養大2)
越谷総合技術 50人(東京理科大1、日大3、東海大3、文教大1、東京電機大4)
秩父農工科学 12人(東京電機大1、東洋大2、日大1)
新座総合、越谷総合は工業系・商業系・家政系にまたがる学科構成、秩父農工科学は農業系・工業系・家政系にまたがる学科構成となっている。
◆専門高校からも大学に進学できる
最多は浦和商業の60人で、以下狭山経済56人、新座総合技術55人、深谷商業53人、越谷総合技術50人と続いている。
それほど大人数とは言えないが、普通科校でも50人に達しない学校はいくらでもある。
妻沼 8人
鳩山 9人(普通+商業)
日高 9人
越生 10人(普通+美術)
鴻巣女子 12人(普通+家政)
岩槻北陵 14人
上尾橘 17人
新座 17人
和光 18人
飯能南 20人
栗橋北彩 23人
八潮 23人
川越初雁 29人
桶川西 29人
三郷 29人
北本 31人
八潮南 33人(普通+商業)
鶴ヶ島清風35人
松伏 37人(普通+音楽)
蓮田松韻 38人
宮代 38人
狭山清陵 45人
新座柳瀬 46人
富士見 46人
草加西 47人
飯能 48人
別にこれらの普通科校がどうこうではない。
受験生・保護者の中には、専門高校・専門学科からは大学進学は無理と思っている人もいるようなので、そんなことはないという意味でデータを集めてみたわけである。
専門高校・学科に入学した場合、就職には有利であるが、カリキュラム上、一般教科が少なく専門科目が多くなるので一般入試ではかなり厳しい。
では入学後、「やっぱり大学に進もうか」となったときどうするかというと指定校推薦やその他制度を利用するのである。
行ける大学や学部が限定されるという弱点はあるが、決して道は閉ざされていない。
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