県北の伝統校・熊谷女子高校を訪ねた。今日もまた「よみうり進学メディア」の取材だ。
 1911年(明治44)創立である。
 熊谷女子の様子は別途書くことにして、今日は県内の歴史の古い学校について調べてみよう。

◆最初から県立学校としてスタートした学校
 1895(明治28)年 浦和(埼玉県第一尋常中学校)
           熊谷(埼玉県第二尋常中学校)
 1899(明治32)年 川越(埼玉県第三尋常中学校)
           春日部(埼玉県第四尋常中学校)
 1900(明治33)年 浦和一女(埼玉県高等女学校)
 1902(明治35)年 熊谷農業(埼玉県立甲種熊谷農学校)
 1908(明治41)年 川越工業(埼玉県立川越染織学校)
 1911(明治44)年 熊谷女子(埼玉県熊谷高等女学校)
 
 明治時代の中学校(男子のみ、5年制)と高等女学校(女子のみ、5年制)が現在の高等学校に当たる。
 浦和・熊谷・川越・春日部がナンバースクールと呼ばれるのは、設立時に第一、第二と番号が付いていたためだ。
 浦和一女は後に浦和第一高等女学校と改称され、それが「一女」の名につながっているわけだが、では第二以下はなかったのかというと、これがあった。
 浦和第二高等女学校。現在の浦和西高校である。

◆私立、町立などとしてスタートした学校
 1886(明治19)年 不動岡(私立埼玉英和学校)
 1898(明治31)年 所沢(共立英和学舎)
 1899(明治32)年 児玉白楊(競進社蚕業学校)
 1900(明治33)年 秩父農工科学(秩父郡立乙種農業学校)
 1902(明治35)年 熊谷農業(埼玉県立甲種熊谷農学校)
 1906(明治39)年 川越女子(川越町立川越高等女学校)
 1907(明治40)年 秩父(大宮町立裁縫女学校)
 1908(明治41)年 川越工業(埼玉県立川越染織学校)
 1908(明治41)年 深谷第一(深谷女子実業補習学校)
 1911(明治44)年 春日部女子(粕壁町立実科高等女学校)
 
 最古の歴史を誇るのが不動岡高校だ。
 「埼玉県で最も伝統のある不動岡高等学校は130有余年にもわたる歴史があります」(不動岡高校ホームページより)と、しっかりアピールしている。

◆歴史と伝統はアピールしとけ
 歴史だけは後から追いかけても絶対に追い越せないので、強力な差別化ポイントになる。だから、学校ホームページでもしっかりアピールしておいたほうがいい。

 まあ普通はどこの学校も「沿革」「歴史」などのページを設けているわけだが(上記、学校名が色付きになっている場合は、学校HPの当該ページにリンクを貼ってある)、中には歴史と伝統を売り文句にしておきながら、それを裏付けるページがない学校がある。

 秩父はHPのトップに「揺るがぬ伝統」とあるが、伝統を知ろうと思っても該当するページがない。深谷第一も同じくHPトップに「明治41年(1908年)創立 113年の歴史」と謳っておきながら、それを具体的に説明するページがない。

 読者の皆さんの中に、秩父・深谷第一の両校にお知り合いがいるという方は、「歴史と伝統を売りにするなら、沿革ぐらい入れときなさいよ」と言っておいてほしい。
 と、言ったものの、私が見つけられないだけかもしれないので、発見した方はご指摘いただきたい。
 ※訂正(9月17日):読者の方からの指摘で(コメント欄参照)、深谷第一のHPに沿革が掲載されていることが判明しました。

 今日ここで取り上げたのは、明治時代創立の学校だが、大正時代創立も立派な伝統校であるから、おそらく歴史と伝統をアピールしているだろう。ならば、「沿革」「歴史」のページを設け、それを感じさせる古い写真の1枚も貼り付けておくほうがいい。