深谷市内の2校、県立深谷商業と正智深谷高校を訪問した。深谷商業のレポートは明日以降にして、今日は正智深谷高校だ。
 コロナ禍で学校訪問の機会が減り、加藤慎也校長と会うのは久しぶりだ。

◆加藤校長、ただいま修行中
 私は真っ先に修行の現状について聞いた。
 と言っても、何のことかわからないと思うので、順を追って説明する。

 同校は、浄土宗系の学校で、開祖・法然の教え、「選択(せんちゃく」「専修(せんじゅ)」を校訓に掲げている。
 特に宗教教育を行っているというわけではないが、教育理念の根底には仏教の精神がある。
 (ちなみに、埼玉県内では淑徳与野、お隣群馬県では樹徳、東京では芝といった学校が同じく浄土宗系の学校だ。)

 大手民間企業出身の加藤校長は、そのような学校を預かる以上、身をもって仏教の精神を知る必要があると考えた。
 「よし修行に出よう」

 いやいや、そこまでやらんでもいいでしょう。
 書物だっていくらでもあるわけだし、学問として勉強すればいいじゃない。
 と、周囲の先生方もそう思ったはず。

 3年がかりだそうだ。
 むろん毎日というわけじゃない。
 1年目に京都・知恩院で数週間、2年目に鎌倉で数週間、3年目に増上寺で数週間という形。
 これで満行。

 全国から僧侶がやって来る。寺の後継者も多いという。
 ただし、1年目で脱落する者多数。
 要するに厳しい、ってことだ。
 加藤校長曰く、「全人格を否定される。身も心もボロボロになる」
 そこから這い上がって来いというわけか。
 仏の道も楽じゃないな。

 で、1年目、2年目をクリアした加藤校長、昨年冬で3年目の修行を終え、見事満行となるはずだったが、そこにコロナ禍だ。
 最後の修行は今冬に持ち越しとなったということだ。

 しかし、こんなことを思いついて実行に移す加藤校長も立派だが、主に長期休業中とは言え、指揮官不在認めた職員もエライ。

 まだ満行とはなっていないが、ここまでの修行で何か心に変化があったかをたずねた。
 「死生観が変わった」
 「利他の心が一層強くなった」
 ズシリと重いね。
 この先に「さとり」の境地が待っているのかもしれない。
 
 以上、私がもっとも聞きたかった修行の話。

◆紙のパンフレットは作りません
 その後、話はICT教育や生徒募集の話に移った。

 「ネット社会がここまで進行すると、数年後には紙パンフレットは不要になりますよ
 加藤校長「実はうちの学校、今年からやめました
 
 おっと、それはまた思い切ったことを。
 でも方向性としてはそうだろうね。
 もちろん置かれた状況は学校ごとに違うから、答えはたくさんあるが、一歩踏み出した勇気は称えよう。

 「昨日、塾説卒業宣言したんだけど、その裏には塾説ってオワコンじゃないかという思いもあるんですよね」
 加藤校長「実はうちの学校、今年からやめました

 またまた思い切ったことを。
 これも学校ごと事情が異なるので一概に何が良いかは言えないが、勇気ある決断だ。
 やっぱり必要だと思ったら、また再開すればいいわけだし。

 続ける忍耐。止める勇気。
 どちらも大事だが、惰性はいけない。
 新境地を開こうとする正智深谷と加藤校長のこれからに注目しようと思った。

 最後に。
 加藤校長は、かなり頻繁にブログを更新している。
 私は書くことが半ば本業であるから更新頻度が高くて当然だが、多忙な校長の身で、これはご立派。 
 加藤慎也校長のブログ