5月末で解除される予定だった緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が6月20日まで延長になった。
 どうも中途半端な延長期間だ。
 6月末までにしないのは、7月23日がオリンピック開会式だから、その1か月前までには解除しておきたいわけだ。

 埼玉県教育委員会もまん延防止延長にともなって、新たな方針(対応案)を示した。
 延長になったので方針(対応案)もそのまま延長しますというわけにはいかないようだ。
 
 考えられることはおよそやりつくしている。
 制限を強化するような状態ではない。
 そんな中、目新しい追加の方針(対応案)を示すのは大変だろう。

 すでにチェックしている人も多いと思うが、こんなデータがある。
 「第54回新型コロナウイルス対策本部会議 次第」という県の資料の最後の方にある。

 
 新年度になってからの県立高校における感染状況を1週間ごとに示したグラフだ。
 GW後に一番高い山ができている。
 家にいることが多かったためだろう。

 発生校数と陽性者数に大きな開きがないことから、各地域各学校で散発的に発生していると考えられる。
 4月新年度に入ってから2か月間の合計は、生徒118人、教職員12人。
 このデータは「県立高校」(134校)のものであり、市立高校や私立高校は含まれていない。
 2か月間累計ではあるが生徒118人なら爆発的感染とは言えない。
 教職員12人も思ったより少ない。
 授業の感染リスクが高いのであれば、生徒もそうだが、先生の感染者がもっと増えても不思議ではない。
 学校の感染対策が徹底している結果とも言えるだろう。

 さて、延長に伴う新たな方針(対応案)である。
 以下、県資料から引用。

 -まん延防止等重点措置が6月20日まで延長になったことに伴い、更なる感染予防を図るため、県養護教諭会と連携し、感染予防のアイデア・好事例をまとめた感染防止対策集を作成します。また、修学旅行における感染防止対策の更なる徹底を図ります。部活動については、専門家を高校に招き、感染防止対策の支援・助言をいただき、これを各学校にフィードバックします。また、必要に応じて、熱中症の事故防止の観点から、現状の週2日の活動に加え土日を含め段階的に増やすことを試行的に始めます。(太字は筆者)-

 

1 養護教諭会と連携し、感染予防のアイディア・好事例をまとめた感染防止対策集を作成
 養護教諭というのは、いわゆる保健室の先生だね。その先生方が情報交換したり研究したりする会が埼玉県養護教諭会だ。
 対策集作るのも結構だが、1年前にやればもっと意味があったと思う。

2 修学旅行における感染防止対策の更なる徹底
 前回の対応案と変わらないが、それではまずいと思ったようで「更なる」を挿入した。
 生徒は行きたい。先生も行かせてやりたい。
 ただ、集団行動は目立つ。修学旅行は一目で分かる。
 なんでこんな時に、という冷たい視線を浴びるかもしれない。

3 部活動については、専門家を高校に招き、感染防止対策の支援・助言をいただく
 専門家っていうのは、何の専門家なんだろう。そこがよく分からない。
 まさかテレビで見るOH教授みたいな人じゃないよな。

4 (部活動は)土日を含め段階的に増やすことを試行的に始める
 段階的に増やすでいいと思うけどね。
 本音はそこでしょう。増やしても問題ない。
 今、関東大会とインターハイ予選の真っ最中で、今年は甲子園もインターハイも実施する予定だ。
 大会開くのに練習するな、はありえない。
 ただ、ズバリ練習していいよとは言えないから、「必要に応じて」とか「試行的に」といった言葉で緩和した。
 よく分からんのが、「熱中症の事故防止の観点から」という部分だ。
 たまに練習するより毎日適度にやってたほうが暑さ慣れして熱中症対策になるってことでいいのか。

 以上、県の新たな対応策と、それに対する感想をまとめた。
 県教委は各市町村教委にも通知を出すので公立中学校の対応もこれに準じたものになるだろう。