都立高校入試に関するニュースで、こんなのがあった。
 「都立高入試の男女別枠は、性差別だ」 医学部不正入試訴訟の弁護士らが撤廃求める意見書
 まあ、差別というならそうも言えそうだが、それはいったん脇に置くとして、私はこのニュースを弁護士さんたちのプロモーション活動(広報活動でもいいが)の一環として見た。
 これは差別なのだという認識が広まれば、教委や学校を相手取った訴訟が起こるだろう。
 訴訟が起これば弁護士の出番だ。

 みんなが不公平だよな、と思いつつも、まあ仕方ないと諦めていた現実にスポットをあて、新たな見方や考え方を提示する。
 それによって救われる人がいるなら結構なことだ。
 弁護士さんが繁盛すればさらに結構。
 
 以前、この問題についてはちょっと書いたが、時代の流れからして男女別定員は撤廃の方向だろうと思う。
 ただ、「男子200名、女子200名」といった形で、あらかじめ明示した上で募集するなら、不正ではないし、許される範囲だろうと思っている。
 
 男女別定員を撤廃すると、ある学校は男子校化し、ある学校は女子校化する。
 そこまで行かなくても、かなり男女比がアンバランスになる学校が出てくる。
 弁護士先生たちは、それは仕方ないと考えているのだろうか。
 世を挙げてあらゆる組織、あらゆる場面で女性比率を増やそうとしている時代なのだが、そこは考慮しなくていいのか。
 
 おそらく日比谷のような都立トップ校は男子校化して行く可能性が高いが、それでいいのか。
 女子の方が点数が上なのに不合格になる。
 男子に有利で女子に不利。
 だが、この現象は、トップレベルよりも、もう少し下のランクの学校で起きていると考えられる。
 現状女子有利の学校もあるのだが、男女別定員撤廃でその有利さが失われるかもしれない。

 弁護士先生たちにたぶんその視点はない。
 差別やジェンダーの問題になればいい。
 すべての弁護士とは言わない。が、今回意見書を出された弁護士先生の思惑はそこだろう。

 ここはやはり、入試を知り尽くした塾や学校の先生の出番だろうね。
 生徒、受験生にとって望ましい制度は先生方からしか出てこない。
 私もこれから、もっともっと勉強するので、先生方、いろいろ教えてください。