本日(7月9日)、埼玉県教育委員会から令和4年度入試各校選抜基準が発表された。
 県教委発表資料はこちら。↓
 「令和4年度埼玉県公立高等学校入学者選抜における各高等学校の選抜基準」

 さしあたり普通科全校の選抜基準をチェックしたが、昨年と変更になっている学校が23校あった(専門学科・総合学科については追って調査する)。
 変更があったと言っても、それほど大きなものではないというのが個人的な印象だ。

 4年度から学校選択問題採用校に加わった大宮北は、普通科は変更なしだが、理数科は傾斜配点を止め、500点満点となっていた。理数科の中には越谷北のように傾斜配点を実施していない学校もあるにはあるが、主流は(と言うかそれ以外は)傾斜配点方式だ。理数科のレベルを引き上げるには傾斜配点がいいと思うが、学校側はどのような判断をしたのだろう。

 あくまでも一般論であるが、募集がうまく行っていない学校ほど、選抜基準をいじくり回す傾向がある。
 問題はそこじゃないと思うよ。

 学校側から見た場合、選抜基準を変えることによって、ある程度志願者層を変えることができる。劇的に変えることはできないが、学検重視か調査書重視か、あるいは面接や実技を実施するかどうかなどにより、志願者の動きが変わってくる可能性がある。
 また、選抜基準の変更により、合格者の顔ぶれも微妙に変化するだろう。

 が、これは、志願者数が募集人員を上回っている場合であって、定員割れしている学校は、どんな基準を設けようとも結局全員が合格するわけだから、基準変更の意味はほぼ無いと言っていい。

 何かを変えなければ。
 そういう思いがあるのだろう。
 そこは正しく評価されるべきだ。
 
 しかし、基準変更による志願者増加はほとんど期待できない。
 3教科受験可能とか、いっそ学力検査無しといった大胆な施策が取れれば別だが、現行の制度の下では無理だ。
 基準変更に意味を持たせるには、学校の魅力を伝え、一人でも多くの志願者を獲得することだ。
 まあ、当然そこまで考えての基準変更だと思うが、念を押しておこう。

 以下、選抜基準を見て気づいた点をいくつか紹介するが、詳細は元データでご確認をお願いした。

伊奈学園
 従来は、「人文系・理数系・語学系」と「生活科学系・情報経営系」をそれぞれ別基準で選抜していたが、これらを一括し「普通学系」として募集する。「スポーツ科学・芸術系」はこれまでどおり別基準。
川口北
 何かしら変えてくるだろうと予想していた。
 従来第3次選抜に3%を残していたが、これを廃止。第1次で70%、第2次で30%。だからと言って志願者が増えるわけじゃない。
越ケ谷
 学習の記録が「1:1:3」に。元に戻ったということか。
所沢
 英検の評価基準が準2級以上に。たしか従来は「級」に関しては具体的記載がなかった。
和光国際
 普通科・外国語科共に学習の記録が「1:1:3」に。これも元に戻ったということ。
川口市立・スポーツ科学
 面接の得点が第1次、第2次ともに低下。相対的に学検と調査書の比率が高まった。この学校の人気や受験者層のレベルアップを考えれば当然だろう。コースの特性を考えれば面接より実技を課すほうが自然だと思う。
大宮北
 前述のとおりだが、今回一番意外だったのが、この学校が「普通科・理数科共通」だったこと。大宮ともろにバッティングするのを避けたのか。特徴のある生徒を集めるには傾斜配点だと思うが。

 以上、大至急のまとめで誤認もあるかもしれない。
 詳しい先生方、ぜひご指摘お願いします。