今さらかと言われそうだが、仕事で音声入力を使うようになった。
 私の仕事の中には、取材して記事を書くというのがあるわけだが、通常は手書きメモで済ませる。
 話を聞きながら頭の中である程度記事を書いているから、メモはその補足だ。
 間違ってはいけない固有名詞や重要な数字は手書きでメモする。

 そして、社に戻ってメモを見ながらキーボードをたたく。
 これが、従来型の原稿執筆スタイルだ。

 インタビュー記事などの場合は、ボイスレコーダーなどを使う場合もある。
 昔なら専用機を使うところだが、今ならスマホで録音すればいい。

 インタビュー記事の面倒なところは、「文字起こし」という作業があることだ。
 こいつは時間がかかる。
 20分のインタビューを聞くには20分かかるわけだし、それを文字化するのに何度も聞き返すから1時間や2時間じゃ終わらない。
 
 ところが、である。
 今のスマホは、というかアプリは、録音するだけじゃなくテキスト化までしてくれるのだ。
 これで面倒な文字起こしがいらなくなった。
 もちろん、テキスト化の精度にはまだまだ問題はあるが、かなりいい線まで来ている。

 ちなみに、次の文章はWindowsの音声入力機能を使って書いた?ものだ。
 彼はマイクを使って私が喋った内容を次にようにテキスト化した。

 「今日は特に書きたい事はないので最近はまっている音声入力の話でもしようかな 原稿を書くのに手書きの時代からキーボードの時代に移ってまあこれからは音声入力の時代でしょうね まあ長生き っていうほど生きては居ないけれども いろんな変化が楽しめますよねねえ まあ最近はねスマホでも 気づかないうちに 何か検索するときも 音声入力を使っていることが多いですよね ただまあ仕事で原稿を書くのにどうなんだろうな ということで今まであまり使うことはなかったんですけれども 最近は結構精度も良くなってるみたいですよね windowsでもできますし あるいは スマホではgoogleキープとかよく使うんですけどもまあ結構正確にテキスト化してくれると言うことで特別なソフトを入れなくても今ある機材というか道具で音声入力ができてしまう本当に便利な時代になりました」

 ね、結構いけるでしょ。
 これだけの文字数をキーボードで打ち込むには、それなりの時間を要するわけだが、マイクに向かって喋るだけで、これだけのテキストが生成できてしまう。
 
 では、もう一つの作品。
 昨日のブログで事実関係に間違いがありました、という話を喋ったら、次のようにテキスト化してくれた。

 「昨日のブログで オリンピックに出場する埼玉県出身埼玉県の 高校出身者をまとめたんですけどもその中で 重量挙げウエイトリフティングの三宅宏実選手の名前を出しているんですけども ひろみの 未の字を 美しい と書いたんですが 稔という字ですね 読者の方から指摘がありました それと三宅さんは3回目のオリンピックって書いたんですけども 彼女は あってね 北京 ロンドンリオスこの順番で良かったかな 4回出てますから今度の東京オリンピックででは5回目になるんですよねそれも3回って書いてしまったので同じ方からの指摘で訂正しました そういえば 彼女が多分まだ高校生だったのかな 埼玉サカエ高校なんかに行った時に お父さんの 三宅義行さん もう顔を何度かお見かけしましたよね 東京前の東京オリンピックで金メダルを取った三宅義信さんの弟の良行さんまあその娘さんが ひろみさんなんですけどね よしゆきさん自身も東京の次のメキシコで確かメダルをとっているんですよね」

 と、かなり適当なところがあるのだが、憎らしいことに、私が間違った三宅宏選手を正しく三宅宏選手と書いてきやがった。
 そのくせアテネが「あってね」になったりしている。
 お前はバカなのか賢いのか。

 しばらくは音声入力で遊べそうだ。