東京五輪始まった。
 前回の東京五輪は中学1年生(13歳)で迎えたから、かなりはっきりした記憶がある。テレビにかじりついて、必死で日本選手を応援したものだ。
 あの当時、オリンピック開催に反対した人はいたのだろうか。
 たぶん、いただろう。
 いつでも、どこでも、何かに反対しようとする人はいるものだ。
 反対の理由には一理あることが多いのだが、反対そのものが目的という人もいる。
 今回ほどではないにしろ、存在したのは確かだろう。

 私のかすかな記憶では、直前までそれほどの盛り上がりはなかった。
 ただ、なにせ世の中の出来事にはほとんど関心のない中学生の印象だから、あまりあてにならない。
 
 開会式は10月10日だった。これはよく覚えている。
 大会直前の10月1日に東海道新幹線が開業した。その2日後、柔道会場として日本武道館が開館した。
 さすがにここまで来ると、オリンピックムードも高まってきた、と記憶しているが、これも後付けの印象かもしれない。
  
 日本は、体操・柔道・レスリングを中心に多くのメダルを獲得した。
 金メダルで一番印象的だったのは、東洋の魔女・日紡貝塚の選手を中心とした女子バレーボール。

 そう言えば、オリンピックが終わった後、バレーボール部に入部したんだった。
 あれはオリンピックの影響だったのか。
 いや、そうじゃないな。
 当時は女子のスポーツというイメージが強すぎたので、それほど乗り気じゃなかった。
 強引に誘ってきた同級生がいたからだ。
 体育が苦手、運動会が大嫌いだった私は、以後、急速に体力が向上し、文化系から体育会系に転向したのだった。

 金メダルより印象に残っているのは、柔道・無差別級で神永昭夫選手がオランダのヘーシンク選手に負けたこと。
 なんで日本が負けるんだよ。
 よりによって柔道で。
 マラソンの円谷幸吉選手は、エチオピアのアベベ選手に続いて国立競技場に戻ってきた。
 が、ゴール数百メートル手前でイギリスのヒートリー選手に抜かれた。
 これも悔しかった。
 これらは当時の記憶として鮮明に覚えているが、その他の記憶は後日強化されたものであろう。

 今回五輪への期待。
 わが埼玉県からいまだ個人金メダリストは出ていない。
 前回東京五輪の女子バレーボールチームには、大宮高校出身の篠崎洋子選手がいたのだが、個人競技の金メダリストはいない。
 個人金メダリスト未輩出県は11県ある。
 関東地方では埼玉県だけである。
 誰か、金獲ってくれ。

 なんだかんだとケチがついた今回五輪だが、別に選手たちが何かしでかしたというわけではない。
 4年に一度の祭典がたまたま東京開催だったというだけで、どこで開かれようが彼らは全力で戦いに挑むだろう。
 私はせいいっぱい応援するよ。