昨日発表になった(新聞では今日)、令和4年度埼玉県高校入試「第1回進路希望状況調査」の結果をもう少し掘り下げておこう。
 と言うか、事前に書いた【予習編】の答え合わせである。
 「埼玉県公立入試、第1回進路希望調査の結果はどうなる【予習編】(10月4日) 

1 定員増の影響
 「募集人員増は、倍率低下の要因となり得るが、仮に受験者数が前年どおりだとしても、人気の高い越ヶ谷や朝霞・朝霞西・伊奈学園などは赤字(定員割れ)になることはない。前年に欠員補充を実施している大宮東<普>・桶川・庄和や、ぎりぎり1倍だった川越西・草加南・富士見などにとって40人増はかなり厳しい」(10月4日記事)

 大宮東(普)0.99倍
 桶川    0.91倍
 庄和    0.70倍
 川越西   0.99倍
 草加南   1.08倍
 富士見   0.52倍
 
 「40人増はかなり厳しい」とした学校は、やはり定員割れ状態となっている。ただ、草加南は1.08倍としっかり倍率をつけているし、大宮東(普)、川越西も0.99倍と、何とか踏みとどまっている。

2 高等学校等進学希望者数の割合は上昇するか
 「前年第1回調査時点において、高等学校等進学希望者総数(具体的な希望校未定者含む)の割合は99.1%だった。前前年は99.2%であったことを考えると、この数字は大きく動くことはないだろう」(10月4日記事)

 高等学校等進学希望者総数(具体的な希望校未定者含む)は、99.2%だった。
 これは当然ながら予想通り。

3 全日制希望者は引き続き低下するか
 「前年第1回調査時点において、高等学校等進学希望者数のうち、全日制希望者の割合は91.1%だった。全日制希望者の割合は低下傾向にある。通信制の割合は少しずつ増えている。前年はこの時点で2.6%だった。果たして3%台に乗るかどうか」(10月4日記事)

 全日制希望者は90.5%で、0.6ポイント低下した。
 それに対し、通信制希望者は3.2%で、0.6ポイント上昇した。
 ぎりぎり3%を超えるかどうかだと予想していたが、それ以上だった。
 すでに通信制希望者は定時制希望者を上回っており、その差は広がりつつある。

4 県外(全日制)希望者は引き続き増加するか
 「前年第1回調査時点において、県内希望者の割合は93.3%に対し、県外希望者の割合は6.7%だった。(中略)大学入試改革も一段落したことだし、県外志向が高まる要素は今のところ見当たらない。よって、この数字は大きくは動かないだろう」(10月4日記事)

 県内希望者/全日制希望者=93.3%
 県外希望者/全日制希望者=6.7%
 ということで変化なし。

5 県内私立希望者はどこまで増えるか
 「前年第1回調査時点において、公立希望者は76.4%、私立希望者は16.7%だった。(中略)今のところ、私立希望者が減少する理由は見つからない。県内私立希望者の割合は今年も増加すると考えられるが、問題はそれがどの程度かということだ」(10月4日記事)

 公立希望者/全日制希望者=75.8%で、0.6ポイント低下。
 県内私立希望者/全日制希望者=17.1%で、0.4ポイント上昇。
 これも当然の結果。調査は9月中に行われているから、その後も私立希望者は増え続けていると考えられる。

6 倍率予想
 2倍超えが予想される学校
 ▼東部地区
 越ヶ谷
 ▼西部地区
 川越南 市立川越(普)
 ▼南部地区
 上尾(普) 浦和西 大宮(普・理)
 市立浦和 川口市立(普・理)
 大宮北(普・理) 蕨(普)
 ▼北部地区
 なし

 学校選択問題採用校となった大宮北に注目。
 越ヶ谷は40人増で倍率はやや緩和されるが、高倍率は変わらずだろう。(10月4日記事)

 2倍超えと予想した12校(科含む)のうち、今回実際に2倍超えだったのは次の7校(科含む)だ。
 ▼東部地区
 なし
 ▼西部地区
 川越南(2.32)、市立川越・普(3.95)
 ▼南部地区
 浦和西(2.32)、大宮・理(2.55)、市立浦和(3.53)、川口市立・普(3.34)、川口市立・理(2.18)
 
 越ケ谷は定員増の影響もあり1.97倍と僅かに及ばなかった。
 大宮・普は1.99倍と、ほぼ2倍と言ってもいい数字。
 大宮北は、やはり学校選択問題採用となったことの影響だろうか、倍率はかなり下がっている。
 予想になかった学校としては、南稜(2.00)、鳩ケ谷(2.00)の2校が2倍超えとなっている。両校とも、例年この段階では高めの倍率が出る。

 以上、【復習編】又は【答え合わせ編】だった。
 大きく外れたものはない。
 というか、ほとんどの先生方が、これまでの傾向から私と同じような見通しを立てていたと思う。

 2倍、3倍となると、初めて接する受験生・保護者は動揺するだろうが、この時期はいつもそうなのであって、こんな高倍率のまま本番に突入するはずがない。
 最後はちゃんと1.5倍前後に落ち着くから心配ない(まあ、それでも結構高いが)。