とうとう宇宙に旅行する時代が来たか。今はまだ巨額の費用がかかるが、そのうち下がるだろう。
 宇宙飛行士が国家のプロジェクトとして行くのではなく、民間人が物見遊山で行く。
 生きているうちに、こんな時代になるとは思わなかった。

 なにせ、我々世代は、海外旅行が夢だったのだ。
 1964年(昭和39)年に海外旅行が自由化されたが、それまでは観光目的で出国することはできなかった。
 が、半世紀経った今、宇宙に旅しようという人が現れた。
 おそらく、さらに半世紀後には、宇宙旅行に行ったことがニュースで取り上げられることもなくなるだろう。

 前澤友作氏の宇宙旅行について、金持ちの道楽などと批判する人がいる。
 まあ確かに道楽と言えば道楽なんだろうが、私は、よくぞそういう道楽を思いつくものだと、そこに感心している。
 また、それを実行したことも凄いと思う。
 仮に何かの偶然で費用は捻出できたとしよう。
 でも、かなり過酷な訓練が必要らしいし、打ち上げに失敗したり、帰りに大気圏突入の際に失敗するかもしれない。
 ある意味、命がけ。
 私だったら、たぶん、二の足を踏むだろう。
 だから、前澤凄い。
 
 ところが、私の周りにも結構な数の批判派がいるのである。
 別に、自分で稼いだ金でやっているんだから、いいだろう。
 素直に感動してやれよ。祝福してやれよ。

 でも、いるんだよ。
 一つ一つ文句言わなきゃ気が済まないヤツ。
 どうして、素直に感動したり、喜んだり、褒めたたえたり出来ないんだ。

 まあ、そういう性格は直らないんだろうね。
 ずっと、そうやって生きて、これからも生きて行く。
 だから、なるべく付き合わないようにするのが一番だ。

 意見の違いを言うのはいいし、正当な批判というのはあると思う。
 でも、悪口はダメだ。

 今あなたの前で他人の悪口を言っている人がいるとしよう。
 すると、その人は、あなたのいない別のどこかで、今度はあなたの悪口を言っている。
 これは、ほぼ100%そうだと思って間違いない。

 その逆に、「あの人はすごいよね。立派だよね」とあなたの前で言っている人がいるとしよう。
 すると、その人は、あなたのいない別のどこかで、あなたのことを「あの人はすごいよね」と間違いなく言っているのである。

 これは性根の問題である。
 若者ならまだ更生の余地はあるが、ある程度年齢が行ってこれだとしたら、もはや不治の病だ。
 そうならないためには、まだ精神が柔軟な若い時に、そういう心を育てることだ。