本日は高校受験生向け。と言っても、このブログは大人向けであるから、受験生が読んでいるとは思えない。
 であるから、もしこれから書く内容が、「なるほど、それも一理あるなと」と思われた塾や学校の先生方、あるいは保護者の方は、ご自分なりにアレンジして、ぜひ受験生にお伝え願いたい。

 その前に、一番最近受験生向けに書いた記事を紹介させてもらおう。
 よみうり進学メディア「受験生への最終アドバイス」
 1月、2月は各中学校に配布する紙版の発行がないので、少し早めだが最終アドバイスを書いた。

 では、今日の本題。
 実は3か月ほど前に書いた内容だが、もう一度言っておこうと思う。

◆受験勉強は期限付き
 当たり前のことだが、受験勉強とは、入学試験本番当日までの勉強のことを言う。
 つまり、期限付きの勉強であり、本番を過ぎてからやったのでは意味をなさないのである。
  
 受験という言葉を除いた、ただの「勉強」には、特に期限の定めはなく、いつからやってもいいし、いつまでやってもいい。
 好きならば一生続けてもいい。
 何ならやらなくてもいい。
 私の経験ではやらないで損をすることの方が多いと思われるので、勉強しない人生はあまり勧められない。
 ただ、それはその人の生き方の問題であるから、「死んでも勉強などするものか」というのもありだ。

◆すべての受験生は未完である
 受験勉強に完成はない。
 中には全教科満点を取るようなスーパー受験生もいるかもしれないが、それは奇跡に近い。
 どんなにレベルが高い学校だって、9割も取れば合格できる。8割でも相当ハイレベルな学校に入れる。
 ということはつまり、1割、2割の未完成部分があっても合格は可能ということだ。
 受験とはそういう争いである。

 すべての受験生は未完成の状態で試験に臨んでいる。
 要は、それが完成に限りなく近い未完成か、完成とはほど遠い未完成かの違いである。
 少しでも完成に近い未完成を目指す。
 ただそれだけだ。

◆落ち込んでいる時間がもったいない
 すべての受験生は未完成なのであるから、この期に及んでまだ出来ない問題があって当然である。
 1問や2問出来ないからといって、いちいち落ち込まなくていい。
 悩んでいるだけ時間の無駄である。

 「もっと早くから勉強しておけば良かった」
 そう思いたくもなる人も多いだろう。
 だが、今この瞬間においては、反省も後悔も、まったく意味をなさない無駄な行為である。
 後悔したければ、受験が終わってから、ゆっくり時間をかけてすればいい。

 悩んだり落ち込んだりする暇があったら、小さな部品一つでも仕上げることだ。
 たとえ漢字一つでも、英単語一つでも、それを仕上げれば、その分だけ全体の完成に近づくのだ。

◆何をやっても力は付くのだ
 残り1か月か2か月。
 何をどうやったらいいのか。
 受験生なら誰もがこの疑問に突き当たるだろう。

 その答えは、何をやってもいい、である。
 自分で考えてもいいし、塾や学校の先生の助言に従ってもいい。

 未完成なのであるから、やることは山ほどある。
 何をやっても全部が力となり、少しずつ完成に近づくのだ。

 やるべきことは大方やってしまった(やったはず)。
 でも、いまだ完成には至らない。
 一体自分に欠けているのは何なのだろう。
 完成のためには、あと何をやればいいのだろう。
 悩むとは、こういうことを言う。
 
 その点、未完成は強い。
 思いつくままにやればいい。
 手あたり次第やればいい。
 それが全部、力になる。

 以上、全部まとめると、悩んだり、落ち込んだり、反省したり、後悔したり、そういうのは後からにしろということだ。
 しかし、我ながら、いかにも昭和生まれっぽいアドバイスだ。