受験生はすでに動いている。3日前の記事でそう書いた。
 1月13日に県教委から第2回進路希望状況調査の結果が発表されたわけだが、12月15日現在とあるように、1か月前の状況である。
 発表された倍率を見て高いの低いのと大騒ぎしているが、発表時点ではすでに受験生は相当動いている。
 例えば、13日発表では1.00倍となっていても、この1か月の間に動きがあり、1.10になっているかもしれないし、0.90になっているかもしれない。

 では、12月15日から1月13日まで、受験生はどのように動いていたか。
 今公表されている資料では、詳細には分からない。
 が、たった1か月ではあるが、その間に相当数の受験生が希望校を変えていることを伺わせる資料もある。

 そこで本日は、15日、埼玉県学事課から発表された私立各校の応募状況(1月12日現在)と、すでに発表されている第2回進路希望調査(12月15日現在)との差異から、受験生の動きを推定してみよう。
 参照したデータはこちら。
 「埼玉県私立高等学校入試応募状況(中間)」
 「第2回進路希望状況調査(私立希望状況)」

 第2回進路希望調査では、当然ながら、いずれかの県内私立高校を希望校として答えている生徒がいる。
 併願として受けるなら、希望校は公立を答えるはずだから、ここで私立と答えている生徒は、単願希望者と推定できる。
 ただし、中高一貫校の場合は、希望者の中に内部進学者が含まれていることに注意しなければならない。
 (この調査では県内私立中学校在籍者も調査対象となっている)

 ここまでまとめると。
 中高一貫校の場合
 各私立高校の希望者数=内部進学者数+単願希望者数
 高校単独校の場合
 各私立高校の希望者数=単願希望者数
 
 内部進学者(現3年生)がどれくらいいるかは調べられるが、ちょっと面倒なので、今回は高校単独校で見て行く。
 
 例えば浦和学院の場合。
 ●第2回希望調査 531人
 ●単願出願者  644人
 「公立→私立」なのか、「私立→私立」なのかは分からないが、この1か月で113人増加している。

 それ以外の高校単独校で、単願出願者と併願出願者の別が分かる学校を見てみよう。
 川越東
 ●第2回希望調査 208人
 ●単願出願者  241人
 33人増加

 秀明英光
 ●第2回希望調査 173人
 ●単願出願者  241人
 48人増加

 正智深谷
 ●第2回希望調査 286人
 ●単願出願者  332人
 46人増加

 武蔵越生
 ●第2回希望調査 217人
 ●単願出願者  243人
 26人増加

 山村学園
 ●第2回希望調査 297人
 ●単願出願者  315人
 18人増加

 以上、データが取りやすい数校の例だが、これだけでも結構な希望変更が起きていることが分かる。
 「公立→公立」
 「公立→私立」
 「私立→私立」
 「私立→公立」
 4つの変更パターンがあって、その動きは、この1か月の間にもすでに起きていることを改めてお伝えしておこう。