本日の記事は主に学校の広報担当者向け。
 お題は記事タイトルにもあるように「メタバース」である。

 昨年10月(2021年)、こんな記事があった。
 米フェイスブック 社名を「メタ」に変更 仮想空間の開発強化へ

 メタって何よ?
 でもフェイスブックやインスタグラムを運営している巨大会社が社名を変更するのだから、それ相応の理由があるはずだ。
 ということでその後、メタバースについて多少は興味を持って眺めていた。

 そして最近、こんなニュースに出くわした。
 東京大学が「メタバース工学部」開講へ、中高生や社会人も対象にDX人材を広く育成
 そして、この記事の元になっている東京大学のプレスリリース(マスコミ向け発表)がコチラだ。
 メタバース工学部」設立のお知らせ D&Iを推進し、DX人材を育成
 
 東大が新しい学部を作るのか。
 と思ったが、そうではないらしい。
 メタバース工学部の名を冠したプロジェクトあるいはプログラムといった位置づけだ。
 対象は社会人だけでなく中高生も含まれる。
 少し先走るが、東大が活用を始めることで、今後はメタバースが教育業界における広報ツールになる可能性もある。
 ゆえに、広報担当者の皆さんは、頭の片隅には入れておいたほうがよかろう。

◆メタバースって何だ
 メタバースは、超越を意味する「メタ(meta)」と宇宙を意味する「ユニバース(universe)」を合わせた造語だ。
 易しく言えば、3次元の仮想空間。

 なるほど。
 それなら知ってる。
 でっかいゴーグルつけてVR【Virtual Reality(バーチャルリアリティ)】の世界で遊ぶやつだ。
 仮想的であることは分かっているが、まるで現実世界のように感じられる、あれだ。
 つまり、技術としてはすでに存在する。
 ただし、主にゲームなどの分野で利用されている。

 これをもっと他の分野で応用できないか。
 そういう課題意識があるわけだ。
 そして、そのためにはそれらを担う人材育成が必要であるから、これも喫緊の課題という意識がある。
 と、それやこれやで「メタバース工学部」設立に至った。

◆メタバースで何ができる
 メタバースで出来ることは何か。
 すぐに思い浮かぶのはメタバース会議だ。
 これはすでにオンライン会議が一般化しているから、すぐにでも実現できそうだ。

 現在のオンライン会議と異なるのは、自分自身がアバター(分身)となって、その空間に参加することだろう。
 
 企業の会議が出来るなら学校の会議も問題なくできる。
 メタバース会議が出来るならメタバース授業も当然できる。
 先生もアバター、生徒もアバター。
 一体、誰がどこで勉強してるんだということにもなりそうだが、現在行われているオンライン授業の最大の難点である空間が共有できないという問題は解消できそうだ。

◆メタバース説明会が当たり前に

 メタバースによるイベント開催も可能だ。
 仮想空間を作るほうが、大きなイベント会場を借りるより安上がりだ。
 参加者は交通費も要らないし、感染症を心配することもない。
 
 学校説明会もメタバース説明会に置き換えられる。
 受験生・保護者は、本物そっくりに作られた仮想空間上の学校にやって来る。
 一方的に映像を見せられているのではなく参加しているのであるから、質問だってできる。
 他の参加者とおしゃべりしたり情報交換することもできる。
 「今日はどちらから?」
 「〇〇から来ました」
 「えっ、そんな遠くから」
 「ま、一瞬で来れましたけど」
 
 とにかく、これまでのオンラインと違って、現実世界で出来ることは何でも出来る。
 これが仮想空間の面白みであり可能性である。

 現在語られているメタバースは、言葉だけが先行しているような気もする。
 が、近未来の会議や授業、イベントのあり方として頭の片隅に入れておいても損はないだろう。