文化部活動の地域移行に関する提言案が固まった。
文化部地域移行、23年度から「集中期間」有識者提言案固まる(毎日新聞)

 運動部活動の地域移行に関しては、すでにスポーツ庁から発表されている。
 今回は、その文化部版である。
 役割分担として、運動部に関することはスポーツ庁、文化部に関することは文化庁と分かれているが、どちらも文部科学省が管轄する行政機関だ。

 提言(案)について詳細に知りたい方はこちら。
 文化部活動の地域移行に関する検討会議 提言(案)

 運動部の場合と同様だが、対象となっているのは公立中学校の文化部である。
 また、休日の活動について、である。

 「学校から部活動がなくなる」
 と、早とちりする人がいるが、そんなに急には進まない。
 施設設備にしても指導者にしても、すぐには整備できない。

 運動部の地域移行の場合もそうだったが、提言では高校の部活動についても簡単に触れている。
 以下、引用する。
 「公立及び国立の高等学校等(中等教育学校後期課程及び特別支援学校高等部を含む)については、義務教育を修了し進路選択した高校生等が自らの意思で文化部活動への参加を選択している実態や、多様な教育活動が行われる高等学校の中で文化芸術等に特色を有する学校が存在することなどの面で、中学校等とは異なる状況にある。一方、高等学校等においても、文化芸術等を通じた生徒の心身の健全育成や教職員の働き方改革の観点は重要であり、学校等の実情に応じて文化部活動の改善に取り組むことを望みたい。私立学校においても、これらの取組も参考にしながら、学校等の実情に応じて適切な指導体制の構築に取り組むことを望みたい。」

 要するに。
 高校生は自らの意志で参加している。
 文化芸術に特色を持つ学校もある。
 したがって高校は、義務教育である中学校とは状況が異なる。
 
 というわけで、今回の提言は、高校は対象ではないとしている。
 ただし、教職員の働き方改革という観点は忘れないように。
 また、私立学校も公立の取り組みを参考にするように、と釘をさしている。

 つまりは、公立中学校がこういう方向に進むのだから、高校や私立も100%今まで通りとはいかないぞ。
 そのように言っているわけだ。

◆私立は部活動ポリシーの確立を
 特に私立高校の場合、部活動は生徒募集とも密接に結びついている。
 公立中学校や公立高校とは、部活動の位置づけがまったく異なるのだ。

 しかし一方、世の中の風潮というものがある。
 ムードというものがある。

 そんな中、昔ながらの指導体制や指導方法というわけにもいかないだろう。
 そこで求められるのが、学校独自の部活動ポリシー(あるはガイドライン)の確立だ。
 勝利を目指すのはいい。
 高みを目指さなくちゃ面白くない。

 その上で。

 生徒の安全。
 心身の健全な発達。
 教員の働き方。
 
 これらを踏まえた部活動ポリシー(あるいはガイドライン)を作成し公表して欲しい。
 個人情報保護方針とか、いじめ防止基本方針があるように、部活動基本方針を定める。
 もちろん、すでに内部的にはあると思うが、HPなどでサステナブルな方針として開示することがポイントだ。