昨日、よみうり進学メディア10月号の取材で熊谷西に行ってきた。
 記事は10月7日発行号に掲載される。
 県内全公立中学校(2、3年生)に学校を通じて配布される。
 高校や塾には届かないので、先生方には、よみうり進学メディアWEB版でご覧いただこう。

 今回10月号は「進学指導・進学実績特集」である。
 地域バランス、公私バランス等を考え、西武文理、開智・高等部、熊谷西の3校に取材をお願いした。

◆意外に駅から近かった熊谷西
 最寄り駅は高崎線「籠原(かごはら)」である。
 下り線で言えば熊谷の一つ先、深谷の一つ手前だ。
 車両の増結、切り離しを行うことでお馴染みの駅だ。

 約束の時間は、職員会議が終わってからということで午後5時。
 取材としては、やや遅めの時間帯だ。

 学校の公式発表は駅から徒歩15分。
 写真など撮りながら、ゆっくり目のペースで歩いたので20分かかった。
 朝7時台の電車は、上りが11本と多いが、下りは4本とやや少ない。
 
 交通至便とまでは言えないが、決して不便ということはない。
 現に、私のような老人が苦も無く歩いたのだから。

◆【進学の熊西】で売り出す
 普通科(1学年280人)と理数科(同40人)の2科編成。
 スーパーサイエンススクール(SSH)指定校である。

 同校ホームページを見ると、進路指導部発の情報が多いことが分かる。
 新着情報が部活関係で埋め尽くされている学校が多い中、珍しいことだ。
 そして、タイトルに必ず【進学の熊西】、【探究の熊西】などと入れているところが良い。
 たとえば、こんな感じ。
 【進学の熊西】第2学期始業式 進路指導主事の言葉
 「第2学期始業式 進路指導部より」でも意味は通じるのだが、一言【進学の熊西】と入れることで、アピール度が増す。
 
 このようなキャッチフレーズは、「言ったもん勝ち」という側面がある。
 「言うほどの実績じゃないんじゃないの」と、外からは必ずツッコミが入る。
 だが、そんな外野の声を気にしていてはダメだ。

 これは、目指す方向性なのだ。
 それを、校内的にも、校外的にも明らかにする。
 いわば「宣言」だ。
 校長や教頭や進路主任が代わっても、言い続ける。
 すると、いつか本物になる。
 キャッチフレーズに実態が追いついて来る。

 異動の激しい公立で、果たしてそれが出来るか。
 このあたりが個人的には注目点だ。

 そう。ついでに言っておくが、この学校の新着情報でちょっと惜しいのは、ぱっと見で投稿日時が分からないことだ。これは改善したほうがいい。

◆国公立、早慶上智をどこまで伸ばせるか
 今春の国公立合格件数は66人(現役57)だった。

 同じ熊谷市内の熊谷は137人(現役96)で、さすがにこことは大きな開きがある。
 だが、熊谷女子は61人(現役55)なので、僅かながら上回っている。

 他地域の学校と比較してみよう。
 越谷北 79人(70)
 所沢北 92人(84)
 川口北 61人(53)
 これらは、昭和40年代から50年代にかけて創立され、当時新設校と言われたグループに属している。
 昭和50年(1975)創立の熊谷西も、その中に含まれる。

 こうした数字を見れば、【進学の熊西】を謳うのは、別に不自然ではなく、むしろ当然ではないかと思えてくる。
 理数科を擁することもあり2年連続東工大に合格しているが、北大や東北大といった旧帝レベルを攻略して欲しいところだ。
 人数も70~80人に到達してくれれば、看板に偽りなしとなるだろう。
 それと、早慶上智など難関私大は他に誇れるほどの数字は出ていない。
 MARCHも、もっと増えて欲しい。

 と、まあ、いろいろ注文はあるわけだが、入学者のレベルを考えれば、よく伸ばしている学校と言えるだろう。