公立高校の塾対象説明会の話題だ。
昨日、4校合同塾説明会の連絡が入った。
4校とは、栗橋北彩・幸手桜・白岡・宮代である。
昨年度の入試状況は次の通り。
栗橋北彩 募集198人 合格191人 欠員募集7人
幸手桜 募集199人 合格149人 欠員募集50人
白岡 募集159人 合格129人 欠員募集30人
宮代 募集198人 合格184人 欠員募集14人
以上のように、いずれも定員割れとなった学校である。
11月末に塾説とは、ちょっと遅すぎだろう。
私立の塾説のピークは前半が5~6月、後半が5月。
それと比べると、タイミングを逸している感がある。
おそらく、年度当初の計画にはなく、急きょ決まったものだろう。
だが、現状を打開したいという気持ちは伝わってくる。
決して今の状態を良しとしているわけではなく、何とかしなければという気持ちがあることは分かった。
それを伝えるだけでも意味はある。
私は、各校ホームページで告知したほうがいいと助言した。
すぐに反応したのは栗橋北彩だ。
トップページの上から2項目に目立つ形で掲載している。
「ご関心のある塾等がございましたら、直接本校までお問い合わせください」とあるが、このような場合、担当部署(または担当者)、電話番号、メールアドレス等を記載しておいたほうがいい。
会場は栗橋北彩となっているから、同校が幹事役と推測できるが、4校合同なのだから、どこに電話すればいいか迷うのだ。
他の3校は、今のところ、HPへの掲載はない。
今期は熊谷女子、草加などが塾説明会を開催した。
10月7日には熊谷西が開催する。
(申し込みは昨日、10月3日まで)
熊谷西学習塾対象説明会
こちらは、担当者・電話番号も記されており、レスポンスしやすい。
ただ、このページに辿り着くのが難しい。
わざと目立たなくしているのか。
私立の中には塾説明会を廃止した学校もある。
そこまで行かなくても、回数を減らしたり、時間を短縮したり、どちらかと言えば簡素化する傾向が見られる。
コロナの影響ということもあるが、ホームページやSNSなど広報活動の手段が多様化したことも影響しているだろう。
こうした中、ようやく今頃になって塾説明会を始めたのが公立だ。
私がこの業界で仕事を始めたのは四半世紀前だが、私立の塾説明会は少なくともその頃からあった。
かつては接待まがいの集まりがあったのも事実だが、今は前述したように簡素化し、ビジネスライクなものになっている。
昨日はたまたま塾の先生方とのWEBミーティングがあったので、この件も話題になった。
1学期に草加の塾説明会に参加したとのことで、「滅多にない機会なので非常に勉強になった」「HPだけでは分からない学校の雰囲気を体感できた」「塾生からの質問にも自信を持って答えられる」などと、非常に好感をもって受け入れている様子だった。
直ちに志願者が増えることはないが、長い目で見ればファンを増やすことにはなるだろう。
今回の4校合同は土曜日開催となっている。
業界では、塾説明会は平日の午前中開催が一般的だ。
塾の先生の勤務時間に配慮してのものだ。
土曜日は小中学校が休みなので、場合によっては午前中から、あるいは午後も早い時間から教室を開けることがあるので、できれば平日開催がいいだろう。
それと、平日なら高校生の授業の様子なども見てもらえる。
公立が塾説明会に消極的な理由の一つは、塾が営利を目的とする民間企業であるからだろう。
塾だけに、あるいは特定の塾だけに情報提供するのは、塾に行っている子と行っていない子との間に不公平が生じるという批判が予想されるからだ。
だが、高校側が伝えるのは学校の教育目標や教育方針だったり、進路実績だったり、その気になれば誰でも調べられることばかりだ。
入試のことだって、選抜基準等に示されている以上のことは言わない。
塾側もそれを求めてはいない。
ただ、生徒の方は、学校説明会などの機会があるが、塾の先生にはそのような機会がない。
何十年も塾をやっていて、大勢の塾生を送り込んでいて、でも自分自身はその学校に一歩も足を踏み入れたことはない。
塾生に「説明会行って来たんですけど。ここに決めようと思うんですけど」と言われても、偏差値と進路実績と巷の噂話ぐらいしかできない。
これはまずいよな。
そう思っている良心的塾長は多いわけで、そういう点では塾説明会というのは絶好の機会なのである。
やや時代遅れの感は否めないが、塾の先生方が訪れる機会、あるいは中学校の先生方が訪れる機会が増えるといい。
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