久しぶりに眼科に行った。
 明るいところや白い壁、あるいはパソコンの明るめの画面を見ていると、虫が飛んでいるような浮遊物がちらちら見える。
 仕事や日常生活には何ら支障はないが、うっとおしい。

 とりあえずネットで調べてみた。
 検索ワードは「目の前に虫が飛ぶ」。
 これで分かった。
 便利な時代だ。

 「飛蚊症(ひぶんしょう)」で間違いないだろう。
 硝子体(しょうしたい)という目の中にあるゼリー状のゲル組織が変質(劣化)して起こるらしい。
 原因は主に加齢によるもの。
 つまりは老化現象。
 と、ここまではネット検索による予習だ。

 正月なら空いているいるだろうと思い、眼科に行ってみた。
 5~6年ぶりだ。
 前回、どういう理由で行ったんだっけ?
 白内障だったかな。
 よく覚えていない。

 視力検査とかいろいろやったが、医者の見立ては、やはり飛蚊症。
 「これ、治りませんよ」と医者。
 だろうね。
 老化現象が治るわけない

 「慣れてくれば、気にならなくなりますから」
 放っておけということだ。
 いつまでも気にしていると、他の病気になっちゃうぞということらしい。

 耳鼻科に行っても、皮膚科に行っても、整形外科に行っても、全部「加齢によるもの」。
 だが、こればかりはどうしようもない。
 少しでも長持ちするように大事に使ってやるしかない。

 原因は「加齢によるもの」であるが、それぞれの医者が言うには、「もっと早くから症状が出ている人も大勢いるから、それでもマシな方」らしい。
 これ、褒められた?
 いや、慰めてくれているんだろう。
 こうやって一つ一つの機能が退化し、劣化し、破壊され、人間終了。
 まあ、やむを得ないところだ。

 私より若い世代の皆さんに伝えたいのは、使わない機能は劣化のスピードが速いということだ。
 酷使するのは良くない。
 ほどほどに使い続けると長持ちする。

 ある年齢になってくると、「最近、~しなくなったな」と感じることが多くなると思う。
 この段階が勝負だ。
 と言うのは、それはまだ「しなくなった」のであって、やればできるのである。
 しかし、そのまま放置しておくと、「しようと思っても、できなくなる」のだ。
 いったんできなくなったことでも、もう一度できるようになるものもある。
 だが、経験的に言えば、ひとたびできなくなったことは、二度とできるようにはならない。
 そういうことの方が多い。

 悪いことは言わない。
 「最近、~しなくなった」と感じることがあったら、今すぐやっておきなさい。