埼玉県公立高校入試まで、1か月を切った。
 本来ならここで、目前に迫った公立入試の話をすべきだが、少し先の話をしよう。

 こんなニュースがあった。
 大阪府立高校 新たに9校程度の生徒募集を停止へ 生徒数減少で高校の数もさらに減らす流れ(FNNプライムオンライン)
 今どき、珍しくないニュースである。
 出生数が80万人を切るかどうかという時代であるから、今後ますます児童生徒数は減り、それに応じて学校数が減って行くのは自然な流れだ。

 令和4年度の学校基本調査によれば、埼玉県内の学年別児童生徒数は次のようになっている。
 中学3年 5万9350人
 中学2年 5万8651人
 中学1年 5万8272人
 小学6年 6万1563人
 小学5年 5万9718人
 小学4年 5万9406人
 小学3年 5万9166人
 小学2年 5万8658人
 小学1年 5万8557人
 
 上記は公立小中学校の在籍者数である。
 小学6年に比べ中学1年生が少ないのは、私立中学校進学者が約3000人ほどいるためだ。
 細かい数字は省略するが、ここでは全体として減少トレンドにあることだけ押えてもらえばいいだろう。

 詳細なデータが必要な方は、埼玉県HPで確認してほしい。
 令和4年度学校基本調査 統計表

 さて、今回取り上げるのは、地域(市町村ごと)の増減である。
 高校受験の場合、原則全県一区であるから、地域の増減がそのまま当該地域の高校の募集に影響するとは言えないが、やはり地域の児童生徒数の増減は、少なくない影響を及ぼすだろう。

◆児童数が増加している地域
 小学6年の在籍数(公立)に対し、小学1年(公立)の在籍者の方が多いのは次の市町村だ。
 カッコ内は実人数である。

 滑川町   29.47%増(56人)
 美里町   12.16%増( 9人)
 宮代町   11.38%増(28人)
 三郷市   7.52%増(89人)
 朝霞市   7.25%増(89人)
 嵐山町   5.88%増( 7人)
 蕨市    5.45%増(28人)
 白岡市   5.31%増(22人)
 ふじみ野市 2.06%増(21人)
 和光市   0.56%増( 4人)
 さいたま市 0.18%増(21人)
 
 以上7市4町が、小学6年の人数より、小学1年の人数の方が多い地域である。
 増加率、増加人数ともに僅かだが、この少子化時代にあって、減らないということが重要である。

◆児童数が減少している地域
 
 東秩父村  -63.16%(-12人)
 小鹿野町  -35.63%(-31人)
 川島町   -29.37%(-42人)
 横瀬町   -26.98%(-17人)
 越生町   -23.94%(-17人)
 皆野町   -23.61%(-17人)
 日高市   -22.41%(-106人)
 幸手市   -19.81%(-83人)
 杉戸町   -19.76%(-67人)
 長瀞町   -18.37%(-9人)
 加須市   -16.84%(-165人)
 ときがわ町 -16.67%(-12人)
 寄居町   -16.46%(-40人)
 小川町   -16.30%(-30人)
 上里町   -14.65%(-40人)
 羽生市   -13.64%(-57人)
 神川町   -13.46%(-14人)
 伊奈町   -13.13%(-57人)
 狭山市   -12.24%(-146人)
 本庄市   -12.18%(-81人)
 春日部市  -11.72%(-213人)
 吉見町   -11.71%(-13人)
 坂戸市   -11.53%(-100人)

 主に、埼玉県の中でも周辺部で、鉄道の通っていない町(駅がない町)だ。
 町が多いが、春日部市、加須市、狭山市、日高市、本庄市、幸手市、坂戸市といった一定の人口をかかえ、鉄道も通っている市が含まれている点が気になる。

◆比較的児童数の減少がゆるやかな地域
 
 戸田市   -0.50%(-7人)
 鳩山町   -1.41%(-1人)
 志木市   -1.76%(-12人)
 富士見市  -1.97%(-19人)
 八潮市   -2.80%(-21人)
 東松山市  -3.10%(-23人)
 飯能市   -3.26%(-21人)
 所沢市   -3.34%(-91人)
 越谷市   -3.59%(-108人)
 久喜市   -3.98%(-47人)
 行田市   -4.09%(-24人)
 川口市   -4.18%(-211人)
 松伏町   -4.25%(-9人)
 上尾市   -4.62%(-86人)

 戸田市などはほぼ現状維持か、場合によっては増加に転じる可能性も高い。
 人口2位の川口市、4,5位の所沢市、越谷市も大幅な減少はない見込みだ。
 さいたま市を含む県内大都市が大きく減少しないので、県全体としては大きな落ち込みはないだろうというのが中期的な予想である。

 以上、公私立各校が今後の地域戦略を立てる場合、多少なりとも参考になるかと思い、調べてみた。