ここは子供の来る場所ではない。
 こことは、言うまでもなくこのブログのことなのだが、学校や塾の先生方が集まる場所だ。
 ただ、受験生や保護者の皆さんが読んで役に立つ情報も少しはある。
 なので、適宜ご利用願いたい。

◆集客と私自身の立場
 本日は「集客」と「販売(促進)」についての話である。

 「集客」とは、文字通りお客さまを集めることだが、この場合、「お客さま」とは厳密に言うと「これからお客さまになってくれそうな人」、すなわち「見込み客」のことを指している。
 と言うことは、学校に当てはめれば、「これから受験し、入学し、生徒になってくれそうな人」を集めるのが「集客」である。

 そのための方法の一つとして学校説明会がある。
 学校説明会にやって来るのは「見込み客」である。
 「見込み客」の一定割合が本物の顧客、すなわち受験者、入学者になってくれるとしたら、「見込み客」は多ければ多いほどいい。
 
 集客の方法としては広告が有効であるが、基本有料である。
 無料で集客する方法としてはWEBサイト(ホームページ)やSNSの活用がある。
 これらを積極的かつ適切に運用していない学校は、私から見れば、集客にそれほど熱心ではない学校なので、余計な口出しはしない。
 逆に、さまざまな手段で集客を図っていると判断できる学校は、私立であれ公立であれ、有名校であれ無名校であれ、出来る限りの応援を厭わない。

◆販売促進とは
 販売促進、略して販促は、英語では「Sales Promotion(セールスプロモーション)」という。
 「Sales Promotion(セールスプロモーション)」では長ったらしいので「SP(エスピー)」と呼んだりもするが、これだと警視庁の「Security Police(セキュリティポリス)」と混同されるおそれがある。

 「販売促進」は学校にはなじまない言葉である。
 学校はモノを売っているわけではないからだ。

 そこで、「販売促進」を、「見込み客」を「本物の顧客」すなわち志願者、出願者、受験者に変えるための行為と考えてみる。

 学校説明会の集客に成功したとして、この段階ではまだ「見込み客」である。
 この「見込み客」の皆さんに「本物の顧客」になってもらわなければならない。
 「この学校を目指そう」
 「この学校を受けよう」
 そう思ってもらわなければ、せっかくの集客が無駄になるわけである。

 私の見るところ、集客までで終わっており、販促を行っていない学校が多い。
 「目指そう、受けよう」とその場で決心してもらえればベストだが、そこまで行かなくても、プラスイメージを持ってもらい、学校の良さに気づいてもらい、さらに興味関心を高めてもらえなければ、何のための説明会かということになる。

 学校側から見た場合、説明会は見込み客に本物の顧客になってもらうための機会である。
 プログラム(式次第)や対応が、そこを意識したものになっているかどうか。
 いま一度見直していただきたい。

◆体験の重要性
 これに似た話は以前にもしたと思う。
 
 企業の場合、見込み顧客を本物の顧客にするためにデモンストレーションを行うことがある。
 例えば、イベント等で商品を実際に使っているところを実演したり、サンプルや試供品を配布して実際に見込み顧客に使ってもらう。
 そうすると、中にはその場で購入する人も現れるわけである。
 通販番組でモノが売れるのは、使っている場面を見せるからである。
 テレビでは疑似体験までだが、対面販売なら実際に体験してもらうことができ、さらに効果が高まる。

 学校の先生は説明が上手い。
 これは確かなのだが、それだけに説明というものを過信しがちである。
 「説明プラス体験」が重要である。

 個別相談も一種の体験である。
 私立の場合だと、いわゆる「確約」の場でもあったりするわけだが、入学後の三者面談の体験と考えることもできる。
 相談する先生は、目の前の受験生・保護者に対して、担任として相対するわけである。

 要は高校生(その学校の生徒)を体験してもらえばいいのだ。
 部活体験が盛んに行われるのは、部員気分を体験してもらえるからだ。

 みんながみんな部活に関心があるわけではないから、これを授業にも応用する。
 グループ学習なら、その中に入ってもらう。
 タブレット等を使う学習なら、それを実際にやってもらう。
 何なら小テストをやって、その場で採点し返却してあげる。これが入学後の日常なのだ。

 さまざまな制約があるのは承知の上だ。
 その中で、少しでも体験的要素を加えれば、販促は成功に近づくだろう。