埼玉の事しか語らない当ブログにはぴったりのニュースを紹介する。
教育、学校、入試との関係は?
直接はない、すぐにはない。
が、そのことは最後に書く。
さて、このニュース。
断念…地下鉄7号線の岩槻延伸、年度内は申請できず SR浦和美園駅―東武岩槻駅までの7・2キロ 物価高騰で建設費1・5倍、1300億円に増大 申請断念で市長、取材に応じず(1月25日 埼玉新聞)
さいたま市は、地下鉄7号線(埼玉高速鉄道=SR)の岩槻延伸について、2023年度中の鉄道事業者への事業要請を実施しない方針を明らかにした。
物価高騰により建設費が当初の1・5倍となる1300億円となることが主な理由とされている。
工期も当初の7年から18年に延びる模様である。
◆どんな計画だった?
埼玉高速鉄道は今のところ埼玉スタジアム近くの「浦和美園駅」でストップしている。
これを東武アーバンパークライン(野田線)の通る「岩槻駅」まで延伸しようという計画。
東京方面に向かっては赤羽で東京メトロ南北線と接続し、さらにその先は東急目黒線とつながっており、これはこれで大変便利。
2023年には東急新横浜線や相鉄線との直通運転も始まった。
が、埼玉方面は「浦和美園駅」という何とも中途半端なところで終わっているのが実情だ。
そこで「岩槻駅」まで延ばし、将来的には宇都宮線「蓮田駅」まで延ばそうという計画が持ち上がった。
どうせなら「大宮駅」とつなげろよ、という話はひとまずおいて、旧岩槻市民(現・さいたま市岩槻区民)にとって長年の念願だったわけである。
◆武州鉄道の再現
埼玉の歴史を紐解くと、戦前に武州鉄道というのがあった。
これは、蓮田から岩槻、川口を通って東京へという路線であった。
つまり、この延伸計画は正に旧武州鉄道のルートをなぞるようなものだったわけである。
ただ武州鉄道は、資金難やらいろいろあって、川口(今の埼玉高速鉄道「新井宿駅」あたり)でストップし、その先がつながらなかったようである。
これでは利用者が増えるわけない。
結局、廃線になり、その後の東京への足は東武鉄道が担うことになった。
岩槻市の他市との合併に関しては、さいたま市との合併案と、春日部市との合併案があったが、住民投票では圧倒的にさいたま市との合併を望む声が強かった。
片や政令指定都市、片や高齢化で衰退が加速する春日部市。
勝負は明らかだ。
財政豊かなさいたま市と組んだ方が、延伸計画も実現しやすい。
岩槻市民がそう考えたかどうかは分からない。
◆学校にとってどうなのか
さて、ここからは本業である学校の話だ。
鉄道が開通したり、近くに駅ができることは学校にとってもプラス材料だ。
武蔵野線「越谷レイクタウン駅」ができて、越谷南高校はいきなり駅近の学校になった。
それまでは「南越谷駅(新越越谷駅)から徒歩40分」と自ら紹介していた学校だ。
埼玉栄中学高校はバスか「指扇駅から徒歩17分」と紹介していたが、「西大宮駅」が開業し、徒歩4分となった。
もともと人気のある学校だったがさらに拍車がかかった。
こうした例はまだまだある。
延伸計画では「浦和美園駅」と「岩槻駅」との間に「中間駅」を設けることになっている。
「中間駅」は目白大学に近くにできる予定なので、バス通学しかなかった同大学にとっては飛躍のチャンスとなるだろう。
一説には「浦和美園駅」の少し先に「埼玉スタジアム駅(臨時駅)」を設けるという話もあるようだ。
実現したとしてもサッカーの試合などイベント開催時限定となるだろうが、常設駅となれば浦和学院の最寄り駅となる。
「岩槻駅」を最寄りとする学校としては岩槻高校、岩槻商業高校がある。
東武野田線の「岩槻駅」から「春日部駅」の間に「東岩槻駅」、「豊春駅」、「八木崎駅」があるが、この間に開智中高、春日部共栄中高、県立春日部高校などがある。
延伸により、浦和・川口方面あるいは武蔵野線沿線などからのアクセスが便利になるケースもあるだろう。
埼玉高額鉄道と言われるほどの運賃の高さが解消されるのか。
快速が運行されるのかどうか。
運転本数は増えるのか。
など、未知数の点もも多いが、市場エリアの拡大につながる可能性はある。
ただ、「入って来やすい」ということは同時に「出て行きやすい」ということでもある。
学校が考えなければいけないのはここだろう。
求心力を高めなければ、便利になった分、みんな外に出て行っちゃうよ。
そこだけは注意してね。
まあ、延伸計画が実現したとしても、そのころ私はこの世にいないので今のうちに言っておこう。
コメントを残す