本日(21日)、埼玉県公立入試学力検査が始まった。
 朝方、県立浦和高校に取材に行ってきた。

 本日は午前中からの配信である。
 多くの受験生が気になるのは、自身の得点と、もう一つは平均点であろう。
 そこで、この記事では平均点にスポットを当ててみようと思う。

 とりあえず、唯一の手がかりは過去の平均点推移である。
 実際に問題を見た上での考察等は、夕方に配信する予定である。

 なお、以前にも紹介したが、テレビでは解説番組が放送される(生放送)。

 テレビ埼玉 入試解答速報(地デジ3チャンネル 本日18:15から)

 また、明日22日(木)の埼玉新聞には、湘南ゼミナール国大セミナー進学プラザ(筑波進研スクール)の先生方による問題講評・解説が掲載されることになっている。
 ネット配信はないようなので必要な方は駅やコンビニで入手していただこう。

 ついでに宣伝させてもらえば、本日(21日)午後7時か8時ごろまでには埼玉新聞Lineニュースで、私の執筆した傾向分析記事が配信されるであろう。
 Line内で「埼玉新聞」と検索してもらえばご覧いただけるはずだ。友だち75万人超えで、なかなかの人気サイトである。
 
 さて、ここから先は、今日行われた試験とは直接関係なく倍率について語るものである。
 その前に一つ確認しておくが、問題作成者は(つまり県教委ということだが)、だいたい50点から60点の間あたりに平均点が落ち着くことを想定しているようである。
 学力検査終了直後に県の予想点が発表されるが、どの教科も55点とか60点となっていることが多い。
 もっとも実際の採点後に出てくる平均点(例年4月発表)は、それに近いこともあるが、かなりかけ離れてしまうこともある。 

◆国語

 12年間のうち8回は50点から60点の間に収まっている。
 ここ2年連続で下がっているが、昨年の57.1点はまだ高めの部類に入るので、さらに下がる可能性もある。
 後で述べる理科、社会も同様だが、国語の平均点の高さは、学校選択問題受験者層が引き上げている面がある。
 全受験者約4万人のうち、学校選択問題で受験する人は約1万人いる。
 割合でいうと25%でかなり高いと言える。
 R5年度の度数分布を見ると、55点から60点のあたりに一つ高い山が確認できるが、66点から70点と、71点から75点あたりもあと二つ高い山が確認できる。
 この後半の二つの高い山は、主に学校選択問題受験者が作り出していると推測できる。

◆社会

 かつて50点に届かない非常に低い時代もあったが、最近8年間はほぼ55点から65点の間に収まっている。
 R5年度も64.1点と5教科中もっとも高かった。
 96点から100点という高得点者が受験者全体の5%くらい存在するが、これは他教科にない特徴となっている。
 もっとも高い山は71点から76点のところに出現していることから考えると、学校選択問題校受験者や、学力検査校の中でも上位にある学校を目指す受験生は、平均点よりかなり高いところに目標を置く必要がありそうだ。

◆理科

 上がり下がりはあるが、最近7年間で見ると上昇基調となっており、特に直近4年間は50点から60点の間に収まっている。
 R5年度は、もっとも高い山は61点から65点のところにあるが、それに匹敵する高い山が81点から85点のところに出来ている。
 この第二の山は、主に学校選択問題校受験者や理数科受験者が作り出していると推測ができる。

◆数学・学力検査

 平成31年度まではある意味安定していた。ただし、低いところで。
 令和2年度に、前年より一挙に25点上昇するという想像を絶する事態が起き関係者を驚かせた。
 さすがにこれは上がり過ぎで軌道修正が図られたようだが、今度は以前のような40点台に逆戻りしてしまった。
 R5年度は55.8点だったが、このあたりで落ち着かせたいところだろう。と言うか、落ち着いてほしい。
 R5年度はもっとも高い山が66点から70点のところにあったが、41点から45点のところにもう一つの山が確認できる。
 学力検査校の中でも上位の学校を目指す受験生の目標は、どんなに低くても70点以上ということになりそうだ。

◆数学・学校選択

 学力検査問題ほどの乱高下はないが、こちらもいま一つ安定しない。55点前後で安定してほしいところだ。
 理数科志望を含む精鋭たちが挑んでいるが、それでもR5年度において90点以上はほぼなく、80点以上も少なかったい。
 もっとも高い山は41点から45点のところにあった。
 平均点からプラスマイナス10点の範囲に集中しているのが他教科にはない特徴と言えそうだ。
 学校選択問題校の中でもトップレベルの学校や理数科ねらいとなると平均点プラス20点は求められるのではないか。

◆英語・学力検査

 上がり下がりが比較的少ないが、過去12年間で55点超えは3回しかなく、逆に40点台は4回ある。
 R2年度からR4年度まで3年間は51点から52点で安定していたがR6年度は45.8点と大きく下がった。
 46点から50点のところに最大の山があるが、それに次ぐ山が30点台にも確認できる。
 学力検査校の上位校や外国語科を志望する受験生は平均点プラス20点あたりがターゲットとなりそうだ。

◆英語・学校選択

 学校選択問題導入初年度こそ71.9点と非常に高い点数が出たが、それ以降は55点から65点の間に収まっている。
 90点以上はほとんどいない一方、30点以下もきわめて少なく得点のバラつきが小さいのが特徴と言えそうだ。
 学校選択問題校の中でも上位の学校となるとR5年度の場合、60点台後半から70点台が求められるたのではないか。

【予告】
 冒頭述べたように、本日は午前中からの配信である。
 夕方には本日2本目の配信をする予定であるが、その記事には、ぜひ塾の先生方からコメントを頂戴したいと思っている。
 
 午後3時半には学力検査が終了するので、塾の先生方も早ければ4時ごろには塾生の皆さんを通じて実際の問題を手にできるだろう。
 そのうえで、感想や講評などを寄せていただきたいと考えている。
 詳しくは、本日2本目の記事で。