一日遅れとなったが三郷工業技術高校訪問記である。
 この日の模様がさっそく同校のホームページに出ていた。

 「本校の魅力発信!」(三郷工業技術高校ホームページ)

◆埼玉のMIT
 「MIT」と言えば言わずと知れたマサチューセッツ工科大学の略称である。
 あちらは 「Massachusetts Institute of Technology」であるが、三郷工業技術高校も、「工業技術」を「industrial technology」と英訳すれば「Misato Industrial Technology」で「MIT」となる。
 学校HPでは英語名「Misato Technological High School」と称しているが、{MIT」の方がかっこいい。
 なお、日本語では「三工技」と称しているようである。

◆学科名称がなぞ
 同校は工業系5学科で構成されている。

 ●電気科
 ●機械科
 ●情報技術科
 ●電子機械科
 ●情報電子科

 「機械」「情報」「電子」という語がそれぞれ2回出てくるので、素人には分かりづらい。
 そんな中、この日の私の課題は、特に最後の2学科の内容を理解することだった。

 電気科、機械科は工業と名のつく高校すべてに設置されている伝統的な学科だから、これは分かりやすい。
 情報技術科はコンピュータの発達と共に多くの工業系高校に設置されるようになったので、これも分かりやすい。
 と、ここまではいい。

 では、電子機械科はどうか。
 機械科とどう違うのか。
 ただこれも、大宮工業、狭山工業、越谷総合技術、新座総合技術などに置かれているからギリギリ分かる。
 機械・電気・情報などの基礎を学ぶ点では他学科と共通する部分も多いが、ロボット制作などを通じて制御技術を学ぶのがこの学科の特徴と言えそうだ。

 最後に情報電子科。
 これは同校だけの学科。
 情報電子科というくらいだから情報技術科や電子機械科とかぶる部分もあるのだが、CG制作、映像制作、WEBデザインなどが入ってくるのがこの学科の特徴だろう。

 いろいろ事情はあるのだろうが、学科名のネーミングは語句(単語)のダブりがないようにしたほうがいいと感じた。

◆驚くほど早い進路決定
 この日の取材は「課題研究の時間」を当ててもらったので、興味深い活動をたくさん見ることができた。
 また、かなり自由に生徒と会話したり質問できたのも有難かった。

 専門高校を選ぶ生徒はいつごろから進路を考え始めるのだろう。
 これは個人的に非常に興味があるところなので、できるだけ聞いてみた。
 その結果、たまたまかもしれないが、中学2年生のころ、3年生の始めのころという回答が多かった。
 中には中学1年生のころという生徒もいた。なんでもそのころから就職したい企業まで考えていたというから驚きだ。

 幸か不幸か専門高校、専門学科の倍率はおしなべて低い。
 令和6年度入試でも工業系学科について言えば、33学科が定員に満たず、競争状態となったのは(倍率が1倍を超えたのは)11学科だった。
 つまり、「好きを基準に学校(学科)選びができる」ということだ。

 この日、私が見てきた授業の様子は同校公式Instagramで見ることができる。