東へ西へ、忙しい一日。
 埼玉県民なら誰もが知るところだが、県を東西に移動するのは非常に面倒である。
 午前中は春日部共栄高校の教育関係者対象説明会(塾説)に参加。
 そのあと、東北自動車道、東京外環、関越自動車道と有料を3本使い所沢へ。
 時間もかかったが金もかかった。

 春日部共栄高校のトピックスは、新たに「東大選抜コース」を設置することだが、その話題は別の機会にするとして、今日は所沢北高校における先生方向け研修会について報告しておこう。

 所沢北については以前にも書いた。

「所沢北高校、2025年入試に向け対面説明会を復活」(2024年4月24日)

 この中でも書いたが、令和6年度入試で普通科は1.09倍(受検当日)という、信じられない低倍率を記録してしまった。
 全県普通科平均1.15倍を下回ってしまったのだから、さしずめ「1.09ショック」といったところだろう。
 さすがにこの状況で何も行動を起こさないはずがない。
 そこで。
 対面説明会を復活させた。
 第1回を6月初旬(8日)に設定した。
 学校公式Instagramを開設した。
 などの手を次々に打ち、生徒募集に詳しい(らしい)講師を呼んで話を聞いてみるか、となった模様である。

 前日の同校公式Instagramにこんな写真が載っていた(3~5枚目の写真)

 

 中学校に呼ばれて行くと、よくこうした歓迎を受けるが高校ではめずらしい。
 別にここまでしていただかなくて結構だが、まあ、こちらも気合が入るということはある。

 今日の研修会はこんなスタイル。

 元教員の私にとっては懐かしい職員会議スタイル。
 
 せっかく行ったのだから授業の様子も見たいと思ったが、中間考査中とあって生徒は午前で放課になっていた。
 もっともそういう時期だから研修会を設定できたわけである。
 ただ、学校に残って勉強している生徒もいた。

 なぜここで勉強?
 「職員室前なので先生に質問するのに便利だから」。
 たしかに・・
 ホワイトボードも設置されているし完全に個別指導ゾーンだ。

 さて、研修会。
 一言で言うと、とてもノリの良い先生集団だ。
 「1.09ショック」の直撃を受けた先生たちとは思えない。

 しかしこれは、始まる前に予想できたことだ。
 前述のように、研修会前、生徒たちの自習の様子を見たわけだが、礼儀正しく明朗快活、質問に対する答えも的確、礼儀言葉遣いも申し分ない。
 これで、これから始まる研修会の雰囲気も大方想像できた。
 先生方はお気づきではないかもしれないが、われわれ外部の人間から見たら、先生方の姿はそのまま生徒の姿であり、生徒の姿はそっくり先生の姿なのである。

 ということで、私の感想としてはなかなか活気にあふれた研修会となったのである。

 所沢北の課題は、以前にも書いたように、広報戦略だけである。
 生徒指導上あるいは進路指導上の大きな問題点があるわけではない。

 学習指導面では非常に先進的かつユニークな取り組みをしている学校、というのが私の個人的な評価だ。
 だが、生徒募集というのは、それだけでは成功しない。
 企業が優れた機能や性能をもった商品を開発してもそれだけでは売れないのと一緒で、知らせる努力と工夫が必要なのである。
 ここに油断があった。

 それさえ解決できれば再び上昇気流に乗るだろう。
 この先、所沢北がどんな手を打ってくるか注目しよう。
 研修会終了後、何人もの先生方がその場に残り、かなり長めの質疑応答の時間になった。
 これも滅多にないことだ。
 あとはこの熱意を形に変えるだけだ。