本日の記事は、願わくば県教育委員会の皆様にお読みいただきたい。
いや待てよ。この言い方は不遜だ。
「運よく目に触れてくれるといいな~」
これならOK。
◆中高生向けポータルサイトが欲しい
前々から県教委が中高生向けポータルサイトを作ってくれればいいのにと思っている。
ポータルサイトがWEBサイトへの入り口という意味であることは皆さんすでにご存知である。
総合的ポータルサイトの草分けかつ最大、最強なのはおそらく「Yahoo」。
検索型ポータルサイトであれば「Google」。
目的別ポータルサイトなら「食べログ」「ホットペッパー」「じゃらん」といったところか。
これの県教委版がほしい。
中高生・保護者向けがほしい。
◆そもそも入り口で迷う
たとえば現状、中学生が高校について知りたいと思ったとき、どうするか。
特定の学校について知りたければGoogle検索という手がある。
何校か知りたければ、その都度検索をかければよろしい。
公立高校入試について知りたければ、同様にそれらしい言葉で検索すれば目的の情報に到達できる。
これが正にポータルサイトの効用というものである。
もう一つ手がある。
「埼玉県教育委員会」という単語を知っていれば、ここにアクセスすればいい。
ここは埼玉県の教育に関するポータルサイト(入り口)である。
だから、この門をくぐって中に入って来てくれれば、必要な情報は全部あると言っていい。
ただ、入ってきてからが面倒だ。
メニュー構成がほぼ目的別となっている。
そこで、中高生・保護者、特に受験生であれば、「学校紹介」とか「入試・転編入学」といったメニューから入って行くことになる。
せめて、各校WEBサイトにあるように「中学生の皆さんへ」といった対象者別メニューがあれば、目指す情報にたどり着きやすくなるはずだ。
ただ、県教委サイトは広く県民に向けて情報発信している。
ステークホルダーは多数存在しているので、「報道関係者(マスコミ)の皆さんへ」とか「企業・団体の皆さんへ」とか、対象者別メニューをたくさん作り過ぎるのも問題だし、ここで中学生だけ特別扱いするわけにも行くまい。
だから、中高生・保護者向けにはまったく別のポータルサイトを作る。
コンテンツは新しく作る必要はなく、現状あちこちに散っている情報を集約すればいい。
◆オウンドメディア化をめざす
ここまでは単に子供用の入り口を作ってほしいというだけで、それほど難しい話ではない。
(まあ、一定の予算と労力は必要と思うが)
ここからは内容である。
オウンドメディア化して欲しい。
オウンドメディア(Owned Media)は、直訳すれば「自己保有のメディア」である。
広義ではWEBサイト(いわゆるホームページ)もオウンドメディアの一つである。
しかし、昨今「オウンドメディア」と言うときは、ブログや情報サイトのようなWEBメディアを指すことが多い。
たとえば自動車会社を想定した場合、自社の製品や取り組みを紹介するのが公式サイトの役割である。
それに対し、世界の自動車産業、エンジン開発の歴史、車が動く仕組み、環境と自動車といった業界全般にまたがる情報や、さまざまなエピソードを紹介するのがオウンドメディアの役割である。ここにやってくれば自動車に関わるさまざまな情報や知識が得られる。
◆今日、杉戸農業高校に行ってきたが
少し話が脇道にそれるが、今日、埼玉新聞社の取材に同行し杉戸農業高校に行ってきた。
広い。だだっ広い。
なんでも熊谷農業よりも広いということだ。
この学校には「生物生産技術」「園芸」「造園」「食品流通」「生物生産工学」「生活技術」の6つの学科がある。
「生物生産技術」と「生物生産工学」の違い、誰か説明できる?
「園芸」と「造園」の中身の違い、分かる?
「食品流通」の「流通」って、何やってるの?
農業高校で「生活技術」って、なぜ?
まあ、素人には100%無理だろう。
農業(系)高校、全部見てきてる私でも無理。
もちろん同校公式サイトには説明があるわけだが、あくまでも自校に限った説明。
そこで必要なのが(と言うか是非欲しいのは)、農業高校に関する総合情報。
日々の教育実践のこと。
学校、学科ごとの特色。
就職や進学のこと。
そういう情報が山ほど見られるサイトが欲しい。
まずは総合情報サイトで農業の魅力やら課題、将来性などを知ってもらい、その上で各校サイトに飛び、学校選びをしてもらう。
◆ホームページがあるじゃないか
こういう話をすると、「ホームページがあるじゃないか」、あるいは「今どきSNSがあるじゃないか」という声が聞こえてきそうだ。
だが、InstagramやxといったSNSは瞬間的に消えてしまう情報だ。
つまりフローの情報であり、消費される情報で、見逃したら終わり。
その点ホームページはストック情報であり半永久保存。
情報の倉庫であり必要な在庫が常に保管されている。
あるいはまた情報の図書館であり、知りたいことはどんな細かいことも分かる。
ただし、倉庫や図書館は必要があって行くところで、毎日行くところではない。
また、前述したように、そこにある在庫や蔵書は限られたものである。
というわけで、ポータルサイトの機能を果たすと共に、オウンドメディア化された中高生向けWEBサイトがあればなあ、と昔から思っているわけである。
そこで学校間の新たなコミュニケーションが生まれたり、校種・学校を越えた生徒同士。先生同士の交流が生まれたら楽しいだろうなあ、と思ったりもするわけである。
多くの懸案・課題を抱え、働き方改革への対応も迫られる中、あまり強くは言えないという思いもある。
あくまでも「一県民」としての要望であるが、たった一人の苦情でも取り上げてくれる埼玉県であるから、もしかしたら動いてくれるかもしれない。そこに期待しよう。
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