春日部東高校の塾対象説明会に行ってきた。
 同校訪問は今月二度目。

 前回は、埼玉新聞に同行し、陸上八種競技の金子朋裕君を取材した。
 金子君は同種目県1位でインターハイ出場がかかった北関東大会に出場。見事2位通過でインターハイ出場を決めた。
 良かった。
 これで「インターハイ出場」の見出しが打てる。
 陸上ではもう一人、ハンマー投げの岩永弘也君もインターハイに出場する。

 本日の塾説参加者は25~30人といったところ。
 今季いろいろ公立塾説に行っているが、参加者は多いほうだろう。
 昨年に続いての二度目の実施であること、ネット告知だけでなく郵送でもかなりの塾に案内を出したことで参加者が増えたものと思われる。

◆歩きはいささか厳しい
 車で行こうか、電車で行こうか最後まで迷ったが、次の予定を考え車を選択した。
 電車利用の場合、春日部駅と藤の牛島駅が最寄り駅となるが、そこから徒歩というのはちょっとした勇気がいる。
 路線バスもあるが、生徒はどちらかの駅から自転車を利用しているそうだ。
 もう少し駅から近いところに場所はなかったのかと思うが、今さら言っても始まらない。

◆なぜ進学校ポジションを取らなかった
 学校創立は1977年(昭和52年)で、同期創立は上尾南、白岡、杉戸である。
 春日部市内には歴史の古い春日部(男子校)、春日部女子(女子校)があった。
 そこに「県立・普通科・男女共学」として誕生したので、人気が出る条件はそろっていた(場所以外は)。
 熊谷、熊谷女子に対する熊谷西のようなポジションだ。
 私が勤務した川口北も市内初の「県立・普通科・男女共学」の条件をそろえ、人気上昇につながった。

 春日部、春日部女子に続く進学校というポジションを取りに行くこともできたはずだが、この学校はどちらかというと「部活強豪校」というポジションを取りに行った。
 春日部に届かない層は、不動岡や越谷北、あるいは県南部の学校に任せようというわけだ。
 実際どうかは分からないが、傍からはそのように見える。

 入試選抜基準を見ても、第1次選抜6対4で学力検査重視はいいとして、第2次選抜で5対5というのは、どう見ても進学校パターンではない。
 2年後に大きな制度改革があるので、今は混乱を避けるのが賢明だが、次は他の進学校と同様のパターンに変えてもらいたいと思う。

◆いつ人文科に見切りをつけるのか
 平成6年に人文科ができた。
 たしか同じ年に岩槻に国際文化科ができている。
 よく分からない学科を作るのが当時の流行りだったのだろう。

 しかし、いったん作ってしまうとつぶすのが難しい。
 何とか特徴を持たせようと歴代の先生方は苦労されただろう。
 だが、その苦労の甲斐もなく、倍率は低迷したままだ。
 最終的には帳尻が合う年もあるが、人文科の人気のなさは第1回希望調査の数字に表れている。
 2017年度 0.68
 2018年度 0.58
 2019年度 0.48
 2020年度 0.70
 2021年度 0.40
 2022年度 0.48
 2023年度 0.25
 2024年度 0.70
 という具合で、手元にある資料で見る限り一度も1倍を超えたことがないのである。

 なぜこうなるかというと、「人文」という語は中学生に通じないからである。
 「歴史文学科」の方がまだましだ。
 カリキュラムは、普通科の文系コースとほぼ同じだから、わざわざこの学科を選ぶ理由が見つからない。

 このまま普通科落ち第二希望の受け皿を続けるよりも、普通科への転換を図ったほうがいいだろう。
 これまで培ってきたノウハウを普通科教育の中で活かした方が生徒のメリットも大きいだろう。

◆進学実績アピールが足りない
 はい。ここまで非常にネガティブな話ばかり。

 オマエはこの学校に何か恨みでもあるのか。
 そう思われそうだが、まったく反対だ。
 大いに気に入っている。
 どっちかというと硬派のこういう学校、好きだ。

 運動ばっかりやっているようで、ちゃんと進学実績も出している。
 国公立36人(うち埼大13)、早稲田4、上智2、理科大4、GMRCH60はかなりいい線行ってるんじゃないか。

 部活頑張りながら、これだけの数字を残しているところをみると、先生たち相当細かく指導しているぞ。
 入学時のレベルを考えると、放っておいてこの数字が出るわけがない。 
 と、このあたりは進路指導経験豊富な私(自分で言うな)には、よく分かるのである。

 「武」のレベルを下げずに、「文」の方のイメージをもう少し強めに打ちだすと、評価はさらに高まるだろう。