昨日(17日)、上尾市立上平中学校で3年生対象に入試に関する講演を行った。
 上尾市内の中学校は体育館にエアコンが設置されており実に快適だったが、「この子たち、高校に入ったらがっかりするだろうな」と余計な心配をした。

 中学生相手は4年ぶりだ。
 講演内容を詳しく紹介することはできないが、主な内容は次のとおりである。
1 高校入試のしくみ
2 受験勉強のしかた
3 高校の選び方

◆情報へのアクセスをどう説明するか
 講演では最初に、高校入試(主に公立)に必要な情報はどこにあるかを知ってもらおうと思ったのだが、これが実に面倒だ。

「まず埼玉県教育委員会のサイトにアプローチしましょう」

「次に、下の方にスライドして行って(注:スマホ前提)、『教育に関する広報』というところを見つけましょう」

「目的別メニューがあるので、その中の「入試・転編入学」に入りましょう。基本、公立入試に必要な情報のすべてはここにあります」

「なお、目的別メニューのちょっと上に『学校紹介』があります。ここに『学校の活性化・特色化方針』や『公立高校のホームページ』という項目があり、各校ホームページにリンクが貼られています」

 と、こんな感じで情報の在りかとアプローチの仕方を教えるだけで結構な時間がかかってしまう。

 中高生のためのポータルサイトがあれば、こんな面倒はなくなるのに。

◆誰も見に来ない魅力発信サイト
 埼玉県教育委員会には県立学校の魅力発信サイトというのがある。
 たぶん塾の先生方もご存知ないだろう。
 知らないから塾生に教えることもできない。

 辿り着くのは至難の業なので、在りかを示しておこう。

 県立学校の活性化・特色化方針【県立学校魅力発信サイト】

 ここは「活性化・特色化方針」「各校ホームページ」「選抜基準」の入口になっているのだが、入口自体が見つけにく構造になっているので訪れる人は少ない。

 少し古いデータになるが、令和4年度の「県立学校魅力発信サイト」の閲覧数は2万3162件である。
 私はてっきり1日当たりかと思ったが、年間閲覧数だという。
 2万3162件÷365日=1日当たり63.5件
 まあ、誰も見てないと言っていいような数字だ。
 県教委は令和10年度までに、これを5万7千件に引き上げたいとしている。
 これまた、何とも目標が小さい。

 ちなみに上記数字は、下記資料からの引用である。
 本日(7月18日)、埼玉県並びに埼玉県教育委員会による発表。

第4期埼玉県教育振興基本計画 (令和6年度~令和10年度)
 ※123ページ

◆SNSと学校WEBサイトを併用し、相乗効果を狙う
 県教委の皆さんは年齢的には40代、50代かと思われる。
 私はもう2年で後期高齢者。
 そういう年寄りがああだこうだ言うのは気が引けるが、サイトさえ作っておけばお客が見に来てくれる時代は終わっていると思う。
 もちろん、学校名が分かっていたり、調べたい事柄が明確に分かっている場合は別だが。

 将来のことは分からんが、少なくとも今はフロー型のSNSと、ストック型のWEBサイト(学校ホームページ)とを併用する時代だ。
 人々はSNSからWEBサイトへ、WEBサイトからSNSへと行ったり来たりしながら情報にアクセスする。
 だから、店を開いているだけ(ホームページを開設しているだけ)ではお客さんはやって来ないのだ。
 SNSと学校WEBサイトを併用し、相乗効果を狙うべきだ

 県教委も一応、公式Xと公式Facebookは開設しているが、残念ながら若者向きのSNSではない。
 中高生にアプローチしたければ、Instagram、LINE、TikTokといった若者向けSNSを使ったほうがいい。

 自分はSNSはやらんとか、好きじゃないとか、個人の趣味嗜好はそれぞれなので、それはいい。
 ただ、今は仕事の話であるから、「私」は封印してほしい。